イランとサウジ、外交関係の正常化で合意 中国が仲介

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イラン首都で2016年に行われたサウジ大使館への抗議デモの様子/Atta Kenare/AFP/Getty Images

イラン首都で2016年に行われたサウジ大使館への抗議デモの様子/Atta Kenare/AFP/Getty Images

UAE・アブダビ(CNN) 7年前から断交しているサウジアラビアとイランは10日、外交関係を正常化することで合意した。地域最大のライバルである両国の合意は、中東情勢に幅広い影響を与える可能性がある。

合意は中国が仲介した。サウジとイランは同日、中国の首都・北京で協議した後に共同声明を発表し、2カ月以内に双方の大使館を再開する予定だと明らかにした。

湾岸地域は長年、米国の影響圏の一部とみなされており、今回の発表は中国にとっても外交的な勝利となる。バイデン米政権がイスラエルとサウジの関係正常化に向けた仲介を試みているタイミングとも重なった。

イラン国営メディアによると、北京では今月6日から、イランのシャムハニ最高安全保障委員会事務局長とサウジのアイバン国家安全保障顧問、中国外交トップの王毅(ワンイー)共産党政治局員の間で協議が続けられていた。

イランメディアが放映した調印式の動画には、テーブルの両側に着席した当局者の姿や、周囲に掲げられたサウジとイラン、中国の国旗が映っている。

王氏は「我々は引き続き、全ての国の望みに応じて今日の世界の懸案に適切に対処する建設的な役割を果たし、大国としての責任を示していく」とコメント。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は当初からこれを支持していたと言い添えた。

さらに「世界にあるのはウクライナ問題だけではない」とし、中東の運命は中東の人々自身の手で決めるべきだと強調した。米国の影響への反発を示す発言とみられる。

サウジがイランと断交したのは2016年。サウジでのイスラム教シーア派聖職者の処刑を受け、イランのデモ隊が首都テヘランのサウジ大使館を襲撃したことが契機となった。その後、両国は多数の近隣諸国を巻き込む形で代理戦争を展開し、中東地域はかつてなく戦争に近づいていた。

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