世界の登山客に人気のネパール、山岳地帯を飛行する危険性浮き彫りに

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ネパール旅客機墜落、ブラックボックスを回収

(CNN) ネパールで起きたイエティ航空の旅客機墜落事故は、一夜明けた16日も現場に数百人が出動して捜索救助活動が続けられた。今回の墜落は、世界で最も飛行リスクが大きい国のひとつとされるネパールの空の旅の危険性を改めて浮き彫りにした。

ポカラ近郊の墜落現場では、搭乗者72人のうち、15日の時点で少なくとも69人の遺体が回収された。

現地の警察は16日、生存者が見つかる可能性は「極めて低い」との見方を示した。

同航空によると、犠牲者はこれまでに41人の身元が判明している。

専門家によると、ネパールは変わりやすい天候や視界の悪さ、起伏の多い地形などから危険が大きい国として航空業界では悪名高い。

同機は15日、首都カトマンズからポカラへ向かう途中で墜落した。同国の民間航空当局によると、搭乗者のうち約15人は外国人だった。

イエティ航空の広報によれば、墜落機の操縦士アンジュ・カティワダさんは、2006年に起きた墜落事故で、同航空の副操縦士だった夫を亡くしていた。

カティワダさんは夫の死後、自身も操縦士になることを決意。受け取った保険金で渡米して訓練を受け、10年にイエティ航空に採用されて、6300時間以上の飛行を経験していた。

墜落した当時、カティワダさんは機長を務め、追加訓練のためにインストラクター操縦士が同乗していた。

ポカラはヒマラヤ登山の玄関口として観光客に人気があり、19年には18万1000人を超す外国人が訪れていた。

政府はフランス当局の協力を得て、墜落原因の究明に当たる。墜落したのはフランスの航空機メーカーATRが製造した航空機だった。

飛行データを記録したブラックボックスは16日に回収され、民間航空当局に引き渡される。

ネパールの民間航空当局によると、国内のATR42型機と同47型機はイエティ航空機の墜落を受けて点検が行われたが、機械系の問題は見つからなかった。

同国で航空機を運航する上で問題なのは変わりやすい天候だけではない。ネパール民間航空局は19年の安全報告書で、同国の「敵対的地形」を操縦士が直面する大きな課題と位置付けていた。

ネパールには世界の高峰トップ14山のうち、エベレストを含む8山があり、美しく起伏に富んだ地形は登山客の人気を集める。

しかしこの地形のため、特に悪天候の中では航空機の操縦が難しくなる。山間部に到達するためには小型機を使う必要があることからさらに事故が起こりやすくなる。

民間航空局の報告書によれば、座席数19人席以下の航空機は事故が多くなる傾向がある。

カトマンズの空港からは、そうした小型機を使った便が多数運航されている。

エベレストの玄関口として知られる北東部ルクラの空港は、「世界一危険な空港」とも呼ばれる。ルクラ空港は山間部の切り立った崖の上にあり、滑走路の先には断崖絶壁がある。同空港では08年と19年の事故を含め、死者の出る墜落事故が繰り返されている。

古くなった機体への投資の欠如もそうした危険に拍車をかけている。国連の国際民間航空機関(ICAO)は15年、ネパール支援を優先課題と位置づけ、2年後にはネパールと提携して安全上の懸念に対応すると発表した。

ここ数年で安全基準には改善がみられるものの、課題は依然として残っている。

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