アジアを「大国間競争」の場にしてはならず、習氏が呼びかけ APEC開幕

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
APEC開幕前に日中首脳が会談=17日、バンコク/Kyodo/Reuters

APEC開幕前に日中首脳が会談=17日、バンコク/Kyodo/Reuters

バンコク(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は18日までに、アジアでの対立を避ける必要性を強調し、冷戦時代のような緊張が再来する危険性に警鐘を鳴らした。

18日開幕のアジア太平洋経済協力会議(APEC)を前に書面の演説文を発表し、中国を地域団結の担い手と位置づけた。

特に米国を名指ししてはいないものの、演説文には米国をけん制したとみられる箇所が複数ある。

習氏は声明で、アジア太平洋地域は「誰の裏庭でもなく」、「大国間競争の場」にすべきではないと主張。産業サプライチェーン(供給網)の「寸断」や「破壊」にも警鐘を鳴らした。

「単独行動主義や保護主義は拒絶すべきだ。経済貿易関係を政治化、武器化する試みも拒絶しなければならない」とも訴えた。

ロイター通信が主催者の話として伝えたところによれば、習氏は当初、経済界の有力者の前でこの演説を行う予定だったが、予期せぬスケジュールの都合で中止になったという。

習氏はさらに、「新たな冷戦を仕掛ける試みは人々にも時代にも決して許容されない」と強調。開幕後にAPECの首脳に向けて行った別の演説ではより柔らかいトーンを打ち出し、安定と平和、「より公正な世界秩序」の構築を呼び掛けた。

世界の2大経済大国である米中の関係は近年大幅に悪化しており、台湾問題やウクライナでの戦争、北朝鮮、技術移転などをめぐる対立が続く。

8月にはペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、中国が台湾周辺海域にミサイルを複数発射したほか、海軍艦や軍用機による演習を強化した。中国政府は台湾を実効支配したことはないが、自国の領土と主張しており、ペロシ氏訪台を理由に米中間の協議を数多く停止した。

「習近平主席」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]