キーウの病院で断水被害、手術中止も ロシア軍攻撃の停電で

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水道水が止まった状態にあるキーウ(キエフ)の病院/CNN

水道水が止まった状態にあるキーウ(キエフ)の病院/CNN

(CNN) ウクライナの首都キーウ(キエフ)の医療機関などは5日までに、ロシアが続ける重要な民間インフラへの破壊を狙う攻撃で水道水が止まる被害が出たことを明らかにした。

ロシア軍による民間インフラへのミサイル攻撃などは過去数週間続き、給電網の破損が深刻化し、全土の都市や町で数時間の計画停電を強いられてもいる。

この中で病院は非常時用の自家発電機を作動させて停電をしのいできたが、10月31日に起きた攻撃は非常に激しくてキーウ市内の送水施設の稼働が停止し、市内全域で約1500人の患者が放置状態になったという。

キーウにある4つの大規模病院では31日のほとんどの時間帯で断水となる窮状に襲われた。ロシア軍によるウクライナ侵攻が今年2月下旬に始まって以降、この種の苦境は初めてだったという。

キーウ州クリニカルセンターでは医師や看護師が緊急な治療が必要とする患者を機能を維持している他の病院への移送を急いだ。手術の中止に追い込まれ、透析など存命に不可欠な治療も延期され、命を失いかねない危うい状況になったという。

同病院の幹部は電力不足への準備は整えているとしながらも、「水不足は我々にとって絶対的な大惨事」と主張。

31日には50件余の手術を予定していたが、水道水がないため医療要員が手術器具などを洗浄できない事態ともなった。結果的に、同病院の殺菌室内は閑散な状態が続き、緊急でない手当てを求める患者らは帰宅を求められたという。

病院幹部は「ロシアは社会生活の重要な要素を我々から剥奪(はくだつ)したがっている」と憤慨。「爆弾で国民を殺せなくても、飲料水、電気や医療提供を奪えるかもしれない」と述べた。

キーウ市内の給水システムは復旧したものの、ロシア軍の次の攻撃に備え職員らの退避を準備している病院もあるという。

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