ロシア、ウクライナが「汚い爆弾」の使用を計画と主張 米は否定
(CNN) ロシアのショイグ国防相は23日、米国のオースティン国防長官との電話会談の中で、ウクライナがいわゆる「汚い爆弾」の使用を計画しているとして非難した。これに対して米政府は、ロシアによる「偽旗作戦」だとして強く反論している。
ショイグ氏とオースティン氏の米ロ国防トップ会談はこの3日間で2回目。ショイグ氏はこの会談でウクライナ情勢について話し合ったと説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。米政権高官によると、この日の会談はショイグ氏からオースティン氏への電話で始まった。
別の当局者によると、ショイグ氏は、通常の爆弾とウランを組み合わせた「汚い爆弾」の使用計画があると主張した。米国やウクライナ、英国はこの主張を強く否定し、ロシアによる偽旗作戦だとして非難している。
ショイグ氏はフランスや英国との国防相会談でも同様の発言をしていた。
米国家安全保障会議(NSC)報道官はCNNに寄せた声明の中で、「ウクライナが自らの領土で汚い爆弾の使用準備をしているというショイグ国防相の見え透いた偽の主張を否定する。事態をエスカレートさせる口実としてこの主張を使おうとする試みを世界は見透かすだろう」と述べている。
米当局者はまた、ロシアが市民に避難命令を出したウクライナ南部ヘルソン市の近郊で、ロシアが主要ダムの爆破を計画しているとの情報があり、注視していることを明らかにした。
米国防総省とフランスおよび英国の国防省が23日に発表した共同声明でも、ショイグ氏の主張を虚偽と位置づけ、一体となってウクライナの領土主権を支持すると強調した。
前回21日の会談ではオースティン国防長官からショイグ国防相に電話をかけていた。米ロ国防トップの電話会談は5月以来だった。