インド初の国産空母が就役、数少ない複数空母の保有国に
ニューデリー(CNN) インドは2日、同国初となる国産空母「ビクラント」を就役させ、世界有数の海軍大国の仲間入りを果たした。
米ドル換算で30億ドル(約4210億円)を投じたビクラントの就役により、インドは空母またはヘリ空母を複数保有する数少ない国に仲間入りする。過去3年以内に国産空母を就役させた国は英国と中国に次ぎ、わずか3カ国目だ。
モディ首相は南部ケララ州のコーチン造船所で行われた式典で、新空母が国に「新たな自信」を与えてくれるとコメント。「インドが決意すればどんな目標も不可能ではなくなる」などと語った。
シンガポールにあるS・ラジャラトナム国際問題研究大学院の上級フェロー、ジョン・ブラッドフォード氏は、同空母に懸けるインドの姿勢は「世界有数の海軍力を維持するという長期的なビジョン」の表れだと指摘した。
インド海軍にはビクラントのほかに、ロシアから2004年に購入した旧ソ連時代の空母を改修した「ビクラマディティヤ」もある。
ビクラントの排水量は約4万トン。ビクラマディティヤや米英中の空母に比べ、やや小型となる。
ただ、アナリストからは同艦が秘める火力を称賛する声が上がった。
今後数年で空母航空団の完全な運用が可能になれば、ビクラントはミグ29K戦闘機を含む最大30機の航空機、ヘリコプター、地対空ミサイルを含む防衛システムを搭載することになる。航空機はスキージャンプ式の傾斜甲板から発艦する。
ガスタービンエンジン4基を動力とし、最高速度は時速52キロ、航続距離は1万3890キロに達するとみられている。