キエフ東郊で激しい戦闘、CNN記者が現地からリポート
(CNN) 西郊や北西郊で数日にわたって戦闘が続いていたウクライナ首都キエフの周辺地域で10日、今度は東郊で新たな戦闘が発生した。現地で取材するCNN記者が伝えた。
CNNのクラリッサ・ワード記者はキエフからの生中継で「きょう憂慮すべき展開があった。街の東方、ブロバリーと呼ばれる郊外の向こうでロシアの活動が活発化している」と説明し、取材班が激しい戦闘を目撃したことを明らかにした。
また、ロシアの戦車縦隊が攻撃にさらされる様子を捉えたドローン(無人機)の動画にも言及。映像はウクライナ軍が米軍から供与された「ジャベリン」のような対戦車ミサイルを撃つ場面とみられるという。
戦闘の映像に加え、関連する音声もある。「この動画では音声が聞こえる。戦車部隊のロシア兵が、指揮官が死亡したと言っているようだ」
ただ、ウクライナ兵が持ち場を守る戦闘を続ける中でもロシア軍は攻勢を拡大しており、キエフ市民にとって心配な状況だとワード記者は指摘する。
「狙いはおそらく(キエフ)市の完全な包囲だ。こうした中で多くの市民が足止めされ、激しい戦闘に阻まれて身動きが取れなくなっている」(ワード記者)
ワード記者はまた、ウクライナのクレバ外相がSNSで戦争の子どもへの影響を示す動画を共有したことにも触れた。映像はキエフ北西郊のボルゼルという町の避難の様子を捉えたもので、「児童養護施設から運び出された重病の子ども2人のうち1人は、完全に意識がないようだった」という。
ワード記者は戦闘が長引くほど、郊外に住む市民の苦しみも続くと警鐘を鳴らしている。