6枚の地図が明らかにするロシア・ウクライナの衝突

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24日未明、ウクライナ国内で報じられた攻撃や爆発の位置を示す地図/CNN

24日未明、ウクライナ国内で報じられた攻撃や爆発の位置を示す地図/CNN

(CNN) ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナで軍事作戦を開始した。西側の主要国はそれ以前から数週間にわたり、攻撃が差し迫っていると警鐘を鳴らしていた。

だがロシアによるウクライナ侵攻はまた、数年にわたる緊張の高まりにより引き起こされたものでもある。以下の6枚の地図は、現状に至った出来事の数々を解説する手助けとなる。

冷戦以降のNATO

冷戦の終結以降、さらに多くの国々が北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、加盟国の範囲を東方へと押し広げた。

2008年にNATOは、かつてソビエト連邦の中枢を担っていたウクライナに対して、遠い将来のある時点での加盟を提案する意向を明らかにした。だがロシアはこれを一線を越えたものとみなした。

この地図は、欧州におけるNATOの東方拡大を示している。西欧の多くの国々は、冷戦が終結した1991年以前に加盟。一方でそれ以降の数年のうちに、かつてソ連構成国だったエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト諸国を含む東方の国々が加盟した。

淡い黄色は冷戦終結前(1991年以前)に加盟した国、濃い黄色は終結後に加盟した国。 注:米国とカナダもNATO加盟国。旧東ドイツは1990年のドイツ統一時に加盟となった
淡い黄色は冷戦終結前(1991年以前)に加盟した国、濃い黄色は終結後に加盟した国。
注:米国とカナダもNATO加盟国。旧東ドイツは1990年のドイツ統一時に加盟となった

プーチン大統領は、NATOの拡大について存立を脅かすものとみなし、ウクライナがNATOに加盟する可能性について「敵対行為」であると表明。またウクライナは文化的、言語的、政治的にロシアの一部であり、ここ最近の緊迫した状況の最中、NATOに東方拡大をしないとの保証を求めるとの考えを強調していた。

米国およびNATOは抵抗。NATOの「門戸開放政策」は、加盟国の責任と義務を引き受ける用意と意向があるどの欧州の国についても加盟申請を歓迎すると言明している。冷戦終結以降、東側陣営に所属していた十数カ国が加盟した。

ウクライナ領土の一部併合

2014年初め、当時のウクライナ大統領が欧州連合(EU)との歴史的な政治・貿易面での合意に署名することを拒否したことを受け、ロシアの後押しを受けていたこの大統領が、同国の首都で起きた大規模な抗議デモにより失脚した。

ロシアは、下の地図の黒海北岸沿いに赤線で強調されているウクライナ領のクリミア半島を併合し、ロシアと接するウクライナ南東部の国境地帯沿いに位置するドンバス地域の一部を掌握した分離派勢力を扇動することで応じた。

15年の停戦協定にもかかわらず、両者とも安定的な和平を目にすることは出来ず、前線は以降、ほぼ膠着(こうちゃく)した。

黒海沿いの赤い地域はロシアが2014年に併合したクリミア半島、南東部の国境地帯沿いの赤い地域はロシアが支援する分離独立派の支配地域を示す
黒海沿いの赤い地域はロシアが2014年に併合したクリミア半島、南東部の国境地帯沿いの赤い地域はロシアが支援する分離独立派の支配地域を示す

燃え上がった緊張関係

以降の8年間ロシア政府は、不和をあおるためにサイバー攻撃や経済的圧力、プロバガンダを用い、ウクライナに対してハイブリッドな戦争行為に従事していると非難されてきた。こうした戦術は最近の数か月間でエスカレート。2月初めに米国務省は、プーチン大統領が「侵略への口実」を作り出すために偽旗作戦を準備していると主張していた。

ウクライナ周辺における過去数年のロシア軍の存在を示すこの地図で目にする通り、こうした試みはまた自ずと現場で明らかになる。ロシアはウクライナの喉元に、装備品や重火器の他、15万人超の規模の兵員を集結させた。

えんじ色の小さな正方形は戦闘部隊のある常設基地、赤い大きなダイヤの形は2021年3月以降の新たな部隊を示す。軍の位置は2022年2月11日時点、ロシアが支援する分離独立派の支配地域は1月24日時点の報告に基づく
えんじ色の小さな正方形は戦闘部隊のある常設基地、赤い大きなダイヤの形は2021年3月以降の新たな部隊を示す。軍の位置は2022年2月11日時点、ロシアが支援する分離独立派の支配地域は1月24日時点の報告に基づく

ウクライナ国境の状況が緊迫するにつれ、NATOは即応部隊の準備段階を引き上げる一方、加盟国は部隊を待機状態に置き、地域の加盟国防衛のため、軍隊の大隊や飛行機、艦船を配置した。この地図で目にする通り、こうしたリソースにはポーランドに配置された多数の米軍部隊などが含まれる。

黒い帽子の兵士のアイコンは多国籍軍がいるNATO基地、電波のアイコンはNATOの弾道ミサイル防衛施設、飛行機のアイコンはNATOの空軍、白い帽子の兵士のアイコンは米軍を示す。右側の数値は各国にいる米軍とNATO軍の兵士のおおよその数
注:このグラフはNATOの東の境界線にある加盟国の防衛に防衛に注力する軍隊と同国内の米陸軍の数を示す。各国の軍事能力は除外している。兵士の数は概数で、2022年2月9日時点のもの。米陸軍はラトビア、エストニア、リトアニア、ハンガリーに少数の連絡役や顧問がいる
黒い帽子の兵士のアイコンは多国籍軍がいるNATO基地、電波のアイコンはNATOの弾道ミサイル防衛施設、飛行機のアイコンはNATOの空軍、白い帽子の兵士のアイコンは米軍を示す。右側の数値は各国にいる米軍とNATO軍の兵士のおおよその数
注:このグラフはNATOの東の境界線にある加盟国の防衛に防衛に注力する軍隊と同国内の米陸軍の数を示す。各国の軍事能力は除外している。兵士の数は概数で、2022年2月9日時点のもの。米陸軍はラトビア、エストニア、リトアニア、ハンガリーに少数の連絡役や顧問がいる

ロシアの侵攻

プーチン大統領は2月21日、ウクライナ東部のドンバス地域に位置し、下記の地図で赤色で示されている自称ドネツクおよびルガンスク人民共和国を公式に承認。地元住民を保護するとの口実に基づき、ロシア軍部隊を同地に展開するよう命じた。

プーチン大統領によって承認された領域は、親ロシアの分離派勢力が支配下に置く地域を越えて広がっており、ウクライナに意図的に忍び寄るロシアについて警鐘を鳴らすものとなっている。

赤い地域がロシアが支援する分離独立派の支配地域、点線が接触ラインを示す 注:接触ラインは2022年1月24日時点の報告に基づく
赤い地域がロシアが支援する分離独立派の支配地域、点線が接触ラインを示す
注:接触ラインは2022年1月24日時点の報告に基づく

ロシア軍のウクライナに対する攻撃は、2月24日の夜が明ける数時間前に、数次にわたるミサイル攻撃や長距離砲の使用をもってついに始まった。この地図は特に、首都キエフや東部のハリコフ、南部のオデッサといった大都市の市街および周辺における、24日夜の時点で報じられた攻撃や爆発の位置を示している。

赤い丸は攻撃や爆発が報告された場所を示す 注:ロシアが支援する分離独立派の支配地域の範囲は2022年1月24日時点の報告に基づく
赤い丸は攻撃や爆発が報告された場所を示す
注:ロシアが支援する分離独立派の支配地域の範囲は2022年1月24日時点の報告に基づく

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