中国の#MeToo、先駆者の女性が敗訴 闘いを続ける構え

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北京市海淀区の人民法院に到着した周暁〇(〇はおうへんに旋)さん=14日、中国・北京/Kevin Frayer/Getty Images

北京市海淀区の人民法院に到着した周暁〇(〇はおうへんに旋)さん=14日、中国・北京/Kevin Frayer/Getty Images

香港(CNN) 中国・北京の裁判所で14日、著名なテレビ司会者から7年前にセクハラを受けたと主張する女性の訴えが退けられた。女性は断固として上訴すると表明した。

周暁〇(〇はおうへんに旋)さんは3年前、テレビ司会者で政界の有力者でもある朱軍さんをセクハラで訴えていた。中国中央テレビ局(CCTV)でインターンをしていた2014年に、楽屋で朱氏に体を触られたり、無理やりキスをされたりしたと主張した。

欧米などでは当時、セクハラを告発する#MeToo運動が広っていたが、中国ではまだ極めてまれな訴訟で、男女平等へ向けた取り組みを測る目安になると注目された。

だが周さんの訴えは、証拠不十分との理由で退けられた。朱さんは人民政治協商会議の元メンバーで、CCTVが毎年春節に放送する人気番組の司会を20年間も務めてきた人物。弁護士を通してセクハラの事実を否定し、逆に周さんを名誉毀損(きそん)で訴えていた。

14日の審理は非公開とされた。約10時間が過ぎた深夜0時ごろに周さんが出てくると、数十人の支持者が待ち受けていた。周さんはその場で支持者らを前に、上訴するつもりだと述べた。

周さんは目に涙を浮かべ、「努力は尽くした」「より良い結果を報告できなくて非常に残念」と話した。

現場にいた人々が共有した動画には、支持者らが「よく頑張った」と声を掛ける場面が映っている。

周さんは裁判で、当時楽屋の外に設置されていた防犯カメラの映像などの証拠収集を繰り返し求めたが、判事らは応じようとしなかった。訴えられたのが有力者の朱さんだったことから、外部からの政治的圧力が裁判の結果を左右した可能性も指摘されている。

裁判所ではこの日、警官や治安要員が厳重な警備体制を敷き、集まった群衆に目を光らせた。開廷前に周さんが姿を見せて演説を始めたが、途中で正体不明の集団に連れ去られた。

中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では、審理の最中に裁判所前の画像などを投稿し、アカウントを1週間以上停止されるユーザーが相次いだ。

現場の支援者らは周さんに「#MeTooの火は消えない」「裁判には勝たなくても市民社会に与えた影響は大きい」と、励ましの言葉を送った。周さんは15日未明、中国のSNS大手「微信(ウィーチャット)」で支援者らに感謝の意を表し、闘いを続ける構えを示した。

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