においや騒音の「文化遺産」守る法案可決 フランス上院

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早朝に鳴く音が迷惑行為に当たるとして裁判沙汰となった雄鶏の「モーリス」/Xavier Leoty/AFP/Getty Images

早朝に鳴く音が迷惑行為に当たるとして裁判沙汰となった雄鶏の「モーリス」/Xavier Leoty/AFP/Getty Images

(CNN) フランス上院は24日までに、においや騒音など田舎に特有な「知覚的な文化遺産」を守る法案を可決した。下院は昨年可決していた。

地方問題の担当閣僚は声明で、同法案の可決を歓迎。田舎に典型的な騒音などへのより良き理解は隣人同士の意見対立を防ぐのに役立つと述べた。地方自治体が今後、知覚面を含めた田舎の文化的遺産を定義する作業を担うことになるだろうともした。

フランス国内では地方部に長く住む住民と新たに流入してくる住民との間の日常生活面などでの意見対立が増えている。

西部ロシュフォールでは2019年7月、雄鶏が早朝に鳴く音が迷惑行為に当たるとして隣人が裁判闘争に持ち込む事例も起きていた。地元の裁判所はこの訴えを退け、隣人に1000ユーロの損害賠償金の支払いを命じていた。

この訴訟は、田舎の住民と年に数回程度、地方を休暇目的などで訪れる都市部の住民との間の対立を象徴するものともなっていた。

この雄鶏の名前は「モーリス」で、飼育していた住民は裁判当時、雄鶏は鳴きたい欲望があると主張。「ここは田舎であり、我々は田舎を守らなければならない」と強調していた。

モーリスの鳴き声をめぐる対決が起きたサンピエールドレロンの市長は判決を受けたCNNの取材に、常識に基づいた判断と評価。「雄鶏の鳴き声はフランスの伝統であり守るべき必要がある」とも述べていた。

モーリスはその後、死んでいた。

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