エボラ流行のコンゴ、はしかの死者は2倍超 今年5000人
(CNN) エボラ出血熱の流行が続く中央アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)で、今年に入ってはしかのために命を落とした人が、エボラ熱による死者の2倍を超えた。国連は、対策のための支援を強化する必要があると訴えている。
ユニセフが27日に公表した統計によると、コンゴで今年に入ってはしかのために死亡した人は5000人を超え、エボラ熱の約2000人を大幅に上回る。
はしかの死者のうち90%に当たる約4500人は、5歳未満の子どもだった。はしかの流行は同国全土に及び、世界最大の規模で感染が拡大している。
最悪の状況にある地域では、衝突や治安の悪さ、医療機関へのアクセスの悪さ、ワクチンや医療品の不足のために、何千人という子どもが予防接種を受けられない状況にあるとユニセフは指摘する。
はしかは感染性が高く、栄養不良やビタミンA欠乏症の子ども、HIVやエイズのために免疫力が低下している子どもなどは、特に感染しやすいという。
北キブ州でパトロールに当たる国連平和維持部隊。武装集団が活動し村々を襲う事件が発生している/ALEXIS HUGUET/AFP via Getty Images
ユニセフは支援団体と連携して医薬品などの配布を続けているが、対策のためには包括的な長期計画が必要だと強調。はしかは死者数が多いにもかかわらず、エボラ熱ほどの注目が集まっていないと専門家は指摘している。
同国では紛争地帯で医療関係者や支援団体の関係者が命を落とす事案も後を絶たない。
世界保健機関(WHO)は28日、コンゴ東部で27~28日にかけてエボラ対策チームの拠点が襲撃され、対策に当たっていた4人が死亡、5人が負傷したと発表した。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は、「エボラ熱は後退している。こうした襲撃が起きれば再び勢力を増し、もっと多くの人が死ぬ」と危機感を強めている。