米海軍艦、中国領有権主張の島近くを航行 南シナ海
(CNN) 米海軍の艦船が28日、南シナ海で領有権が争われている2つの島から12カイリ(約22キロ)以内を航行した。「航行の自由」作戦の一環。
米第7艦隊の報道官によると、作戦を実施したのは誘導ミサイル駆逐艦「ウェイン・E・マイヤー」で、ファイアリー・クロス礁とミスチーフ礁から12カイリ以内を航行した。「行き過ぎた海洋権益の主張に抗議し、国際法で定めた航路へのアクセスを保護するため」としている。
報道官はさらに「米国は国際法が許すあらゆる場所で飛行、航行、活動していく」と説明。特定の国を対象としたり、政治的な主張を展開したりする目的ではないとも述べた。
米国はファイアリー・クロス礁とミスチーフ礁を巡り、中国が軍事施設を設置しているとかねて批判してきた。
米国防当局者がCNNに明らかにしたところによると、作戦中は中国軍の艦船が米軍艦を追尾していたという。
米海軍は南シナ海で定期的に「航行の自由」作戦を行っている。5月下旬には、パラセル(西沙)諸島の中国の実効支配下にある島の近くで米軍艦2隻が作戦を実施していた。
今回の作戦を受け、人民解放軍南部戦区の報道官は「南シナ海の平和と安定を著しく損なう航行上のいじめだ」と反発。国営環球時報は中国人アナリストの話として、米国には緊張激化を狙う意図があるとの見方を伝えた。