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国連幹部が性的暴行か、女性職員が被害告白 CNN EXCLUSIVE

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UNAIDSの事務局次長や国連事務次長補を務めたルイス・ローレス氏

UNAIDSの事務局次長や国連事務次長補を務めたルイス・ローレス氏

ローレス氏をめぐっては、ブロストロムさんを含め3人の女性が似たような経験に言及している。ウガンダとケニアでUNAIDSのプログラムを運営していたマラヤ・ハーパーさんはCNNの取材に、14年にホテルでローレス氏から同様の強要を受けたと証言。3人目の女性も匿名で数年前に襲われたと明かした。

ブロストロムさんが被害を訴えたのは襲われてから約1年半後、組織再編でローレス氏の影響から抜け出たときだった。UNAIDSのトップ、ミシェル・シディベ事務局長に調査を依頼した。

だが調査開始から数カ月後のストックホルムへの出張中、シディベ事務局長から、告発を取り下げローレス氏からの謝罪を受け入れたら昇進させるとの圧力があったという。

シディベ事務局長は調査担当者に、ローレス氏が謝罪したいという話はなかったと否定。ただその後の調査で、組織とブロストロムさんを守る方法があればいいとは話をしたと回答した。また、ブロストロムさんの仕事ぶりに満足し、彼女自身が昇進について話していたとした上で、それをどのように実現していくか議論をしたことはあるとも語った。

国連児童基金(ユニセフ)の元職員、スティーブン・ルイス氏によると、シディベ事務局長はローレス氏の件で自身やUNAIDSの今後の展望に害が及ぶことを非常に心配していたという。シディベ氏を10年以上知る人物2人も、マリ出身のシディベ氏が、将来同国の大統領や国際保健機関(WHO)のトップとなるキャリアを夢見ていたと語った。

シディベ事務局長に近い複数の人物は、シディベ氏に少なくとも過去3年に渡ってローレス氏の品行について警告していたと語る。だが今年2月の内部ミーティングでシディベ氏は、ローレス氏について警告を受けていたとの話は真っ赤な嘘だと否定。国連を離れる同氏の決断を「勇敢だ」と語る一方で、セクハラ問題を外部に話した職員を「道義的な取り組み方をしていない」と攻撃した。

女性の地位向上がエイズ拡大の防止に不可欠だと推進してきたUNAIDSが、セクハラ被害を訴えられている幹部を長年守っていたとしたら大きな皮肉だ。

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