ミズーリ州とケンタッキー州で竜巻 25人死亡、建物にも被害
米ケンタッキー州で竜巻、被害の様子は
(CNN) 竜巻を伴う暴風雨が米国の中部を襲い、ミズーリ州とケンタッキー州南東部で少なくとも25人が死亡したほか、各地で被害が出ている。
ケンタッキー州では18人が死亡。その発表の数時間前の16日には、広範な被害を受けたミズーリ州セントルイスで7人の死亡が報告された。
竜巻はミズーリ、ケンタッキー、イリノイ、インディアナ各州で報告された。
中西部と五大湖周辺では家屋が損壊し、送電線が倒れるなどの被害が発生した。停電情報サイト「Poweroutage.us」によると、17日時点で約45万9000戸が停電した。
今回の暴風雨は数日にわたり続く恐れがある。ミズーリ州とケンタッキー州で猛威を振るった荒天が勢力を弱めて移動する一方、メキシコとの国境付近では新たな激しい嵐が予想され、南西部の約2000万人が危険に見舞われる可能性がある。
ケンタッキー州南東部で被害
米国立気象局(NWS)は午前0時過ぎ、ケンタッキー州南部を東へ進む「大規模で極めて危険な」竜巻をレーダーで確認した。
動画や写真によると、ケンタッキー州ではプラスキ郡からローレル郡へと悪天候に見舞われ、少なくとも18人が死亡し、10人が重体となった。動画には、建物や車両、樹木、インフラが広範囲で損壊した様子が映し出されている。
ケンタッキー州のベシア知事は17日夜の会見で、これまでで最悪の水準の災害の一つだとの認識を示して、非常事態を宣言し、連邦政府に大規模災害の指定を要請した。
ケンタッキー州のマハラ・ワッツさんは、家族でニュースを見ていた16日午後11時ごろ、電話から竜巻の警報が鳴り響いたとCNN提携局WLKYに語った。家族は自宅中央にある浴室に避難。ワッツさんによれば、嵐が突然家の上空を襲い、家族はがれきを吸い込んだ。浴室の鏡が倒れたが、やがて静かになった。屋根は吹き飛び、冷蔵庫が浴室の出入口をふさいでいた。外では車が横転し、がれきが散乱していた。
ミズーリ州セントルイスを16日に襲った竜巻は少なくとも約13キロを移動し、死傷者が出た。市長は17日、「市は深い悲しみに包まれている」と語った。約5000棟が被害を受け、数千戸が停電に見舞われた。市は連邦政府に大規模災害指定を求めている。