ガザ停戦交渉、2カ月ぶり再開 米大統領選前の合意は見通せず
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の停戦とイスラエルの人質解放に向けた交渉がカタールの首都ドーハで再開される。ただしあと2週間を切った米大統領選挙の前に合意が成立する見込みはほとんどないと米当局者は指摘している。
合意に向けた協議はドーハで27日に行われ、米国とイスラエル、カタールの代表が出席する。ガザ停戦をめぐる高官協議は約2カ月ぶり。米政府は、イスラエルによるハマスの指導者ヤヒヤ・シンワル氏の殺害を受け、交渉再開の機運が高まったと主張していた。
しかし、米大統領選挙の内情や外交政策に与える影響を熟知しているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、次期米大統領が決まるまで、ガザの紛争の今後について重大な決断は下さないだろうと指摘する米当局者もいる。
シンワル氏の死亡を受け、バイデン米大統領の側近は停戦交渉の再開に向けて慎重ながらも楽観的な見方を示していた。米国務省のアントニー・ブリンケン長官は11回目となる中東訪問の中で、ネタニヤフ首相とも会談している。
一方でネタニヤフ首相は、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏とも接触していた。トランプ氏はジョージア州の集会で、ネタニヤフ氏からここ数日で少なくとも2回、電話があったと主張した。
27日の協議には米中央情報局(CIA)のビル・バーンズ長官やイスラエルの対外特務機関モサドのダビデ・バルネア長官が出席予定。カタールとエジプトはハマスとの協議を再開している。
カタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アル・タニ首相は23日、「双方に戦争を終わらせる意思があれば、機会は豊富にある」との見方を示した。