ハリス氏が対話集会に参加、主なポイント
(CNN) 米大統領選の民主党候補のハリス副大統領が23日、ペンシルベニア州アストンで、CNN主催の対話集会に参加した。
ハリス氏は集会で、まだ投票先を決めていない有権者や説得可能な有権者からの質問を受け付けた。終盤に差し掛かった大統領選の激戦州で、支持獲得を目指す。
集会の司会はCNNのアンダーソン・クーパー記者が務めた。ハリス氏が有権者に向けて語った内容は以下の通り。
トランプ前大統領
クーパー記者から、共和党候補のトランプ前大統領はファシストだと思うかと問われたハリス氏は、「そう思う」と回答。トランプ氏は「不安定であり、大統領職に不適合」とする考えも改めて示した。
この後もハリス氏は、トランプ氏は「危険」だと強調。トランプ政権で大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏の一連のインタビューに関する報道にも言及した。
ケリー氏はインタビューの中で、トランプ氏がヒトラーに仕えたナチスの将軍たちの忠誠心について語っていたことを明らかにしている。
経済
ハリス氏は、8月に公表した不当な値段のつり上げを禁止する連邦法の成立を実現する考えを示した。
また自身の提案した税額控除は中所得世帯の生活コストの緩和に寄与するとも主張。「年収40万ドル(約6000万円)以下の人々には増税しない」ことも約束した。
この他、新規の小規模企業に対する一段の課税控除、児童控除も提案した。
人工妊娠中絶
ハリス氏は、人工妊娠中絶の権利を認める法案を成立させるため、法案採決を阻止できる「フィリバスター(議事妨害)」の廃止を支持する意向を示唆した。
また中絶の権利を後退させたとしてトランプ氏を非難。トランプ氏は最高裁判事を選定した時点で、彼らが(中絶の権利を認めた)ロー対ウェイド判決を覆すことを想定していたと主張した。
ハリス陣営は中絶問題に焦点を当てた新たな選挙広告も打ち出している。
国境問題
ハリス氏はカリフォルニア州検事時代の実績を強調し、国境の治安対策に関しては自分こそがより優れた候補者だと主張した。その上で、「市民権取得に向けた包括的な筋道」を含めた形で「この長年にわたる問題」の解決に取り組みたいとの考えを示した。現場で対応に当たる当局者や要員の人数も増強するとした。
また超党派で作成した国境問題に関する法案を不成立に追い込んだとして、引き続きトランプ氏を非難した。
中東情勢
ハリス氏は、イスラム組織ハマスの最高幹部ヤヒヤ・シンワル政治局長の死が中東での和平協議の成功に道を開くことを期待すると述べた。
また「非常に多くの罪のないパレスチナ人が殺害されている」との認識を表明。パレスチナ国家とイスラエルが併存する「2国家解決」を擁護するとした。
一方で反ユダヤ主義に対抗する法律の制定を呼び掛けた。
結束
集会の聴衆は、有権者登録を行った民主党員、共和党員、無党派層で構成されていた。ハリス氏は「全米国人のための大統領」になると述べ、米国には「常識に基礎を置く」大統領が必要だと訴えた。
その上で、住宅や中絶の権利、国境といった問題に対しては党派の違いを超えて政策目標の達成に取り組むと約束した。そのような事例として、超党派で可決したインフラ法案に言及した。
@cnn Vice President Kamala Harris takes part in a CNN presidential town hall in battleground state Pennsylvania, where CNN's Anderson Cooper asked why undecided, persuadable voters should vote for her.
♬ original sound - CNN