夫婦殺害の死刑囚、執行直前に看守ら数十人が恩赦求める 米ミズーリ州

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ブライアン・ドーシー死刑囚/Jeremy Weis

ブライアン・ドーシー死刑囚/Jeremy Weis

(CNN) 米ミズーリ州で9日に死刑が執行される予定の男について、看守や職員など数十人がパーソン州知事に恩赦を求めている。男は著しい更生ぶりを見せており、死刑判決は不当だったと支援者側は主張する。

ブライアン・ドーシー死刑囚は2006年、いとこのサラ・ボニーさんと夫のベンジャミンさんを殺害した罪で死刑判決を言い渡された。恩赦を求める嘆願書では、ドーシー死刑囚が2人の殺害を深く悔いていると主張。当時ドーシー死刑囚は薬物による精神疾患や飲酒による記憶喪失の症状があり、第1級殺人罪で有罪を言い渡すために必要な条件には該当しないとしている。

それでもドーシー死刑囚は罪状を受け入れており、以来、拘置所での懲戒歴は一切なく、絶大な信頼が求められる看守の理髪師の仕事を続けているという。

恩赦の嘆願は看守ら70人あまりのほか、裁判を担当した陪審員5人、ミズーリ州最高裁の元判事、同州出身の共和党議員少なくとも3人が支持している。

嘆願ではさらに、ドーシー死刑囚の裁判を担当した弁護士2人について、「金銭的利益の相反」のために無力だったと主張。弁護士に支払われたのは一律の報酬1万2000ドルのみで、もしも死刑が求刑された事件で一般的な数千時間の労働をしていたとすると、時給約3.37ドルにしかならないと指摘した。

友人や家族の多くも死刑執行に反対して、パーソン知事に手紙で恩赦を求めているという。

一方で、被害者の遺族は今も死刑執行を支持している。サラ・ボニーさんの遺族はドーシー死刑囚について「困難な状況から抜け出すための安全な場所を与えられたのに、助けようとするその手を、愛する者に対する究極の裏切り行為に変えてしまった」とする声明を発表した。

幼い頃に両親を奪われたボニーさん夫妻の娘については、人生の大切な時に両親がいないまま成長しなければならなかったと訴えている。

一方、嘆願書では、ドーシー死刑囚らは永遠にボニーさん夫妻の死をいたみ続けるだろうとした上で、「どんな言葉もどんな努力もこの悲劇の痛みを和らげることはできない。我々の意図は、これ以上被害を増やすことではない。その逆だ」と訴えた。

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