畜牛の鳥インフル感染拡大、人に感染2例目の症例確認 米CDC
(CNN) 米国で畜牛の鳥インフルエンザ感染が拡大し、人に感染した米国内2例目の症例が確認された。米疾病対策センター(CDC)が明らかにした。
人から人への鳥インフルエンザ感染は米国では確認されていないものの、他国では鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が人から人へ受け渡される散発的なケースがあるとして、CDCが状況を注視している。H5N1が変異して人にとっての危険が高まる可能性もある。
CDCの専門家は3日、「一般にとってのリスクは依然として低い」としながらも、「この状況を極めて深刻に受け止めており、積極的な取り組みで確実な公衆衛生対策を徹底させる」と強調した。
人の鳥インフルエンザ感染は一般的に、感染した動物との濃厚接触があった人に限られており、感染は通常、そこで止まる。
「つまり、鳥や鶏から人に感染し、その人が例えば配偶者に感染させることはあったとしても、その後は人から人への持続的な感染は見られない」(CDCの専門家)
新たに確認された感染者は、テキサス州で感染したと推定される乳牛と接触していて、症状は中程度だった。しかし人が鳥インフルエンザに感染すれば重症化して死に至ることもある。
CDCや地元の保健当局は、この乳牛の群れと接触していて鳥インフルエンザと思われる症状がある人を対象に検査を実施。これまでに約15人を検査した結果、1人からウイルスが検出された。
テキサス州の感染者は目が赤くなる症状しか発症しておらず、一般的なインフルエンザ治療に使われる抗ウイルス薬の治療を受けて隔離されている。
鳥インフルエンザに感染した牛は、今年3月にテキサス州の2つの酪農場で発見された。牛の鳥インフルエンザ感染が確認されたのは初めてだった。米農務省は今月1日、鳥インフルエンザがニューメキシコ州の乳牛の群れで初めて検出され、テキサス州では新たに5つの乳牛の群れで見つかったと発表した。
合計すると、テキサス州で7群、カンザス州で2群、ミシガン州で1群、ニューメキシコ州で1群の鳥インフルエンザ感染を確認。アイダホ州にも感染の疑いがある群れがあり、確認を進めている。
CDCによると、2022年1月に鳥インフルエンザの流行が始まって以来、感染した家禽(かきん)類は米48州で8200万羽を超えている。野鳥も9253羽の感染が確認されているが、実際の数ははるかに多いと思われる。
鳥類に比べると哺乳類の感染は少ないものの、数は増えており、ヤギ、シカ、キツネ、アライグマ、オポッサム、スカンク、飼い猫などに陽性反応が出ている。