米富豪による性的人身取引の被害者と仲間、24年に氏名公表へ 地裁が命令
(CNN) 米ニューヨーク州連邦地裁のロレッタ・プレスカ判事は20日までに、富豪のジェフリー・エプスタイン元被告による性的人身取引の被害者及び仲間とみられる数十人の氏名を来年公表するよう命じた。複数の文書から明らかになった。
今回の命令は、米国人女性バージニア・ジュフリー氏が起こした和解済みの裁判に絡んだもの。同氏は未成年時にエプスタイン元被告から性的虐待を受けたと主張。エプスタイン元被告の元恋人で長年の共犯者だったギレーヌ・マクスウェル被告が虐待に協力していたと訴えていた。
エプスタイン元被告は2019年に連邦の性的人身売買容疑で起訴された。罪状の中では、元被告本人が未成年の少女数十人に性的虐待を加えたとされている。
元被告は事実審理に入る前に、拘置施設内で自殺した。ニューヨーク州検察はマクスウェル被告を多数の被害者が出た性的人身売買容疑で起訴。同被告は昨年、有罪判決を受けた。
被害者とされる人々の多くは公的な場での取材に応じ、既にメディアにより氏名を特定されている。それ以外の人々についても、文書の公開に対して「異議の申し立てはなかった」と、プレスカ判事による18日付の命令は述べている。
プレスカ氏は氏名公開の対象者らに向け14日間の猶予を与え、その期間内に上訴できると説明。それ以降は当事者らが検討の上で文書を公開するとした。
その上で、一部の被害者に関しては今後も名前を伏せることになると述べた。当該の犯罪が持つ機微な性質と、性的要素を帯びた未成年への虐待に絡む内容であることが理由とした。
エプスタイン元被告の仲間については、これまで何人が違法行為の捜査対象になったのか不明。今後何人が対象になる予定なのかもわかっていない。
命令では、元被告の仲間を巡る文書も「完全な形で」公開されるとしている。このうち1人は元被告による性的人身売買で重要な役割を果たした。また裁判の中で名前が浮上していた人物も1人いるとされる。文書によっては、既に死亡した人物の情報も含まれるという。