米政府、商船に武装米兵の配備案を検討 イランの拿捕阻止で

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今年7月、オマーン湾で商用タンカーに近づくイラン海軍のコルベット艦を捉えた画像/U.S. Naval Forces Central Command

今年7月、オマーン湾で商用タンカーに近づくイラン海軍のコルベット艦を捉えた画像/U.S. Naval Forces Central Command

(CNN) ペルシャ湾へつながる海路の要衝であるホルムズ海峡でイランがたびたび強行する船舶拿捕(だほ)を阻止するため米政府が商船に武装した米軍兵士らを乗り込ませる計画を検討していることが17日までにわかった。

この計画に通じる米政府当局者が明らかにした。実行に移した場合、米国とイランとの間で武力衝突が直接起きる可能性も指摘されている。

同案は、ホルムズ海峡あるいはオマーン湾を航行する商船や船主が特別警護を求めた際、約20人の武装要員もしくは海兵隊兵士を配備することを想定。同湾などではイラン海軍やイラン革命防衛隊による船舶の拿捕や妨害行為がこれまで再三発生している。

当局者によると、この拿捕対策はここ数カ月の間に浮上した一連の提案の一つだという。

別の政府当局者3人は、政策立案者が米軍がこの種の任務を遂行するのに必要な権限を絞り込む作業が続いているためまだ検討段階にあるとした。実行には、米政権の最高指導部での承認が必要になる可能性がある。

イランによる外国籍船舶の拿捕や妨害活動は2021年以降、約20件に上る。米国は、地域的な海域の安全保障環境への明白な脅威と断じている。

米政府当局者の1人は今月初旬の段階で、米軍兵士から成る警護要員の商船への派遣は近く実行される可能性があると指摘。「数カ月や数週間の問題でなく、数日間で実現することもあり得る」とした。

米海軍兵士はこの任務に加わる準備をしており、特別作戦の遂行もこなせる米海兵隊の第26海兵遠征部隊も現在、訓練しているという。

米政府当局者によると、中東に本拠がある米海軍第5艦隊は今年5月から海運業界との間で武装要員の乗船に関する協議を続けていた。同月にはイランがホルムズ海峡でパナマ船籍のタンカーを取り押さえる騒ぎが起きていた。

さらに7月にはオマーン湾でタンカー2隻の没収を試み、1隻にはイラン海軍が発砲する事態ともなっていた。

海運業界との間の接触では米軍兵士らの乗船や警護への関心が示されたものの、配備を実際に求めた船舶や海運企業はこれまでないことも明かした。

米政府当局者は「イランは勝てないと思っているだろうから米国とけんかはしないだろう」とも指摘。「米国が現れたら、彼らは去る」とも話した。

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