冤罪の米元死刑囚、新型コロナで死去 無実の罪が晴れた9年後

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2012年、刑務所から出てくるデーモンさん(中央)/Courtesy Pamela J. Wandzel

2012年、刑務所から出てくるデーモンさん(中央)/Courtesy Pamela J. Wandzel

デーモンさんの容体は一時悪化したものの、9月2日にはデービッドさんの元に回復できそうだという電話がかかってきた。

デービッドさんはどうか元気でと伝え、テキサス州から車でデーモンさんを迎えに行く計画を立てた。

その夜、デービッドさんは1本の電話を受け取った。デーモンさんの肺は壊れ、心臓も機能不全を起こしていた。

「(看護師から)『蘇生措置の停止の許可が必要です』と言われた」と、デービッドさんは振り返る。

デービッドさんは信じられない思いだった。デーモンさんとは数時間前に電話で話したばかりで、基礎疾患もなかったからだ。しかし、医療チームがもう45分間も蘇生を試みていると聞き、デービッドさんは回復の望みがないことを悟った。そして、病院に蘇生の停止を許可した。

デーモンさんが冤罪で有罪判決を受けたのは、義理のいとこ(14)の強姦殺人を認める虚偽の自白をした後のことだった。

デーモンさんは警察の事情聴取を受けた多数の1人で、米自由人権協会(ACLU)によると、9時間あまりに及んだ尋問の末、「自白のような行為」に至った。デーモン・ティボドーさんは有罪判決を言い渡され、死刑囚として15年間拘留される結果となった。

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