米国防総省、ダニを生物兵器として使う実験? 米下院が調査求める
(CNN) 米国防総省がダニなどの昆虫を生物兵器として利用する実験を行っていた疑いがあるとして、米下院が同省に対して事実関係を調査するよう指示した。
このほど下院を通過した修正案では、1950~75年にかけて行われていたとされる実験について、事実関係を調査するよう国防総省の監察官に求めている。
修正案を提出したクリス・スミス議員によると、ダニなどの昆虫を生物兵器に転用する実験は、米政府がメリーランド州フォートデトリックやニューヨーク州プラム島の施設で行っていたとされ、多数の書籍や記事で取り上げられているという。
スミス議員は修正案について審議する中で、「病気に感染させたダニが手違いで流出する事案はなかったのか」と問いかけた。
ダニが媒介する感染症の中で最も多いのがライム病で、発症すれば発熱や関節の痛み、発疹、顔面まひなどの症状を伴い、放置すれば関節炎や神経疾患、心疾患を引き起こすこともある。
米疾病対策センターによると、2017年に報告されたライム病に感染または感染の疑いのある症例は4万2743例に上り、16年に比べて17%増えた。
修正案では、もしも国防総省の調査でダニを使ってライム病に感染させる実験を行っていた事実が発覚した場合、その実験の範囲や、手違いあるいは実験の手順として、実験に使われたダニが研究室の外に放出された事案はあったのかどうかについて報告するよう求めている。
米国ではライム病などダニが媒介する感染症の患者が激増しているとスミス議員は述べ、「国民はこれが真実かどうかを知る権利がある」と訴えた。