米国の核施設に老朽化の波、修繕進まずシステムに不具合も

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1940年代に建設されたY-12プラント。コンクリートが剥落している=NNSA

1940年代に建設されたY-12プラント。コンクリートが剥落している=NNSA

ワシントン(CNN) 米国家核安全保障局(NNSA)のフランク・クロッツ局長らは7日、下院戦略兵力小委員会に出席し、米国の多くの核施設の老朽化が進んでいると警鐘を鳴らすとともに、オバマ政権が計画する核施設の近代化に十分な予算を認めるよう求めた。

「NNSAの研究所や生産工場において安全で信頼性が高く近代的なインフラを整備することは、重要な国家安全保障の使命を達成するために欠かせない」と、クロッツ局長は述べた。

2015会計年度末の時点で、NNSAの施設で必要な改修のうち、先送りされた分に必要な費用は総額37億ドル(約3700億円)に上るとクロッツ局長は述べた。

施設の老朽化は核計画の「長期的な成功に対する最大のリスクだ」とクロッツ局長は言う。

一部の施設の管理業務を請け負っているコンソリデイティッド・ニュークリア・セキュリティ社のモーガン・スミス社長も小委員会に出席。施設の状態が悪化しているのは、多くの主要核施設が第2次世界大戦中に、それも10年ほどしか稼働させないつもりで建てられたものだからだと述べた。

クロッツ局長によれば、NNSAが全米に保有する6000カ所の施設のうち築40年以上のものは半分を超える。また30%近くは第2次大戦中に原子爆弾の開発・製造が行われたマンハッタン計画の時代に建てられたものだ。

「多くの施設とそれを支えるインフラは耐用年数をとっくに過ぎており、施設内の主要なシステムに不具合が出始めている」とスミス社長は証言した。

昨年12月、エネルギー省のモニズ長官は行政管理予算局に対し、2018~21会計年度に核施設向けに52億ドルの予算を積み増しするよう求める書簡を出している。

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