C919に乗ってみた 中国初の国産旅客機、エアバスA320に対抗
客室乗務員が出発前の機内放送で機体の説明をしてくれたのはうれしかった。「本日ご搭乗いただいている中国国際航空C919は、中国が独自に開発した初の大型旅客機です」
短距離便でも食事の時間には温かい機内食が出た(今回の飛行時間は1時間40分)。各座席背部のポケットには搭乗前にペットボトルの水が置かれ、機内食のオムレツとヨーグルト、チョコレート菓子は十分満足できる味だった。
客室の後部にあるエコノミー座席のトイレもチェックした。トイレは明るく(この便は清潔でストックも十分だった)、コート掛けがあり、A320やB737の最新型の多くに比べると窮屈感は少なかった。
上海で最も高いビルの先端が雲の中から現れると、C919は上海虹橋国際空港に向かって降下を始めた。
エンジンの隣の窓側の座席に座っていた私は、ネットで見たC919に関する二つの主な不満のうち一つがエンジンの騒音だったことを思い出した。許容範囲は人それぞれだが、私はボーイングやエアバスのナローボディー機に比べてそれほど騒音が大きいとは感じなかった。
もう一つの不満は頭上の収納スペースの狭さだったが、たとえ収納スペース競争でC919が勝てないとしても、満員だった今回の便では全員が機内に持ち込んだスーツケースを問題なく収納できた様子だった。
上海には予定より40分ほど早く到着した。これといった出来事のない旅だった。A320やB737とC919の違いはほとんど感じなかった乗客が大半だと思う。安全性と快適性に関する私の評価は手堅い「B」だった。