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「血で書かれた」安全基準 全乗客の命を救ったJALの徹底意識、契機は40年前の惨事

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JAL機の乗客は手荷物を全て残したまま避難した/Issei Kato/Reuters

JAL機の乗客は手荷物を全て残したまま避難した/Issei Kato/Reuters

乗客の行動

一方、乗客の側にも今回の事故から学ぶべき教訓がある。

JAL機の乗客は手荷物を全て残したまま避難した。

CNNの取材に応じた女性は、同機に搭乗していた夫が携帯電話だけを持って避難し、ほかの手荷物は全て機内に残してきたと証言した。

欧州航空大手のパイロットは、「これはさまざまな航空会社や文化に共通する課題だ。中には自分の手荷物や所持品を、ほかの乗客の安全よりも優先する人がいる」と打ち明ける。

別の専門家も「避難が遅れれば大惨事になっていた可能性もある。全ては1台のパソコンや手荷物のために。今回の事故では、手荷物を持たないでという指示に乗客たちが従っていなければ、はるかに悪い事態になっていたかもしれない」と語った。

ブレイスウェイト氏は、以前搭乗した旅客機で隣に座った男性は、何か間違いが起きればそれで終わりだという理由から、安全に関する説明に耳を傾けなかったと振り返り、「きょう、日本の400人近い人たちが、そうではないことを証明してくれた」と指摘。「事故があっても生き延びられることを証明するため、我々がどれほどのことをしてきたかの証だった」と評している。

本稿はCNNのジュリア・バックリー記者による分析記事です。

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