A380から座席撤去、貨物機に転用 コロナ支援物資を輸送

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ポルトガルのチャーター機運航会社ハイフライが、エアバス「A380」を貨物機に転用/Courtesy Hi Fly
写真特集:大型旅客機「A380」、座席撤去し貨物機に

ポルトガルのチャーター機運航会社ハイフライが、エアバス「A380」を貨物機に転用/Courtesy Hi Fly

(CNN) ポルトガルのチャーター機運航会社ハイフライはこのほど、貨物積載量を増やすため、エアバスの大型旅客機「A380」から大半の座席を撤去する施策を打ち出した。A380が貨物機に転用されるのは世界初。

世界最大の旅客機であるA380はスペースを増やす余地が多く、容積は300立方メートル、収容可能な貨物の量は60トン近くに上る。これは同じエアバスのクジラに似た巨大貨物機「ベルーガXL」の輸送能力をも上回る重量だ。

ハイフライによると、貨物機に転用したA380は医療物資や防護具の輸送に使われている。最近ではドミニカ共和国のサントドミンゴやカナダのモントリオール、中国の天津と武漢に向かったという。

エアバスは昨年、2021年内にA380の納入をやめる方針を発表しており、貨物機への転用は最初で最後になりそうだ。

新型コロナの流行もA380の退役を早める結果になるとみられる。空の旅の需要急減に伴い、独ルフトハンザや豪カンタス、仏エールフランスなどの航空会社はA380の運航を停止している。

A380は総2階建ての機体に最大853人を収容できる巨大な機体で、旅客には人気だが運航費用がかさむ。航空コンサルタント企業の関係者は3月、CNNの取材に対し、「現在のニーズには大きすぎる」と指摘していた。

ハイフライはシンガポール航空からA380-800型機を引き継ぎ、元の内装や471座席の配置はそのままに運航していた。今回、エコノミークラスの席を撤去したことで、総2階の客室に貨物室を合わせた3層全てで貨物を運べるようになった。

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