「不審なワゴン車」情報フェイスブックで拡散 根拠なし、全米で不安あおる

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根拠ない「不審なワゴン車」情報 SNSで拡散 米

ニューヨーク(CNN) 白いワゴン車に乗った男たちが、売春行為のための人身売買を目的に女性を誘拐し、臓器を売り飛ばしている――。フェイスブックを通じてそんなうわさが拡散し、全米で不安が広がっている。

このうわさの信憑性(しんぴょうせい)を裏付ける根拠は何もない。しかしうわさに火が付くドミノ現象が起きて騒ぎが一気に広まり、メリーランド州ボルティモアの市長が根拠のないまま警戒を呼びかける事態にまで発展した。

今回のようなインターネットに起因するパニック現象は、フェイスブックの投稿を通じてデマが拡散すれば、白いワゴン車のようにありふれたものに不審の目が向けられ、全米を巻き込む陰謀説に発展しかねないことを物語る。

ボルティモアのバーナード・ヤング市長は2日、テレビ局のインタビューの中で、「白いワゴン車の近くに駐車してはいけない」「連れ去られそうになった場合に備え、自分が常に携帯電話を持っていることを確認してほしい」と呼びかけた。

この呼びかけの根拠はボルティモア警察からの情報ではなく、「フェイスブックの至る所」にあるとした。

ボルティモア警察の広報はCNN Businessの取材に対して3日、ソーシャルメディアの投稿については認識しているが、実際の事件に関する報告は何も入っていないと語った。

実際のところ、そうした現象がボルティモアで起きたことを裏付ける確固たる根拠は何もない。ところがボルティモアなど全米の都市で不審な白いワゴン車が目撃されたとする未確認情報が、この数週間の間にフェイスブックで何百回、何千回と共有され、数百万人がそうした投稿を目にした可能性がある。白いワゴン車を運転していた人が、このうわさのために嫌がらせを受けたという報告もある。

ジョージア州では警察が不審な白いワゴン車に関する報告について捜査に乗り出し、市民に対し、情報はソーシャルメディアに投稿するのではなく警察に通報してほしいと呼びかけている。

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