Luxury

英辞典、今年の単語は「NFT」

英コリンズは「今年の単語」に「NFT(非代替性トークン)」を選出した

英コリンズは「今年の単語」に「NFT(非代替性トークン)」を選出した/Miguel Candela/Anadolu/Getty Images

辞書出版大手の英コリンズの「ワード・オブ・ザ・イヤー(今年の単語)」に「NFT(非代替性トークン)」が選ばれた。「crypto」や「cheugy」を抑えての選出となった。

11月24日に公開されたコリンズのブログ記事によると、NFTとは「芸術作品や収集品などの資産の所有権を記録するために使用される、ブロックチェーンに登録された、世界でたったひとつのデジタル証明書」だという。

NFTは、電子署名のように機能する。ブロックチェーンが改変不可能な所有権証明書の役割を果たすため、NFTはある芸術作品が本物であることを証明できる。そのため、たとえ作品の画像や動画が大量に複製されても、その作品の「現物」や所有者はブロックチェーンを介して常に特定可能だ。

またNFTは芸術作品に希少性を与える。その結果、デジタルアート市場は活況を呈している。

3月には、オークション運営会社のクリスティーズで「Everydays: The First 5,000 Days(毎日 最初の5000日間)」と題されたデジタルアートが6930万ドルで落札された。この作品を制作した、Beeple(ビープル)という名で知られるグラフィックデザイナーのマイク・ウィンケルマン氏は、美術市場で現存する最も価値の高い芸術家の一人となった。

NFTと並んでワード・オブ・ザ・イヤーの候補に挙がった「crypto」もデジタル革命に関連する言葉だ。「crypto」は「cryptocurrency(暗号通貨)」の略語で、コリンズによると従来のお金に対抗するデジタルマネーを意味するという。

また米フェイスブックが社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表したのを受け、コリンズはブログ投稿で「metaverse(仮想現実空間)」も候補に挙げた。

さらに、現在も続いている新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に関連する「double―vaxxed(ワクチンを2回接種済み)」や「hybrid working(オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせた働き方)」も最終候補に残った。

「climate anxiety(気候不安)」は、人間が地球に与えている損害に対する不安の高まりを反映している。また「neopronoun(新しい代名詞)」は、名前や「he(彼)」「she(彼女)」といった性別を示す人称代名詞を使わずに特定の人物を指示する手段で、コリンズは例として「xe」「ze」「ve」を挙げている。

米ネットフリックスで配信中のドラマ「ブリジャートン家」で見られるジョージア王朝時代の服装からヒントを得たファッション美学と定義される「Regencycore(リージェンシーコア)」や、時代遅れ、ださいという意味の「cheugy(チューギー)」も最終候補に残った。

コリンズは、2020年のワード・オブ・ザ・イヤーに「lockdown(都市封鎖)」を選んだが、その理由は明白だ。また英オックスフォード辞典が選んだ21年のワード・オブ・ザ・イヤーは「vax」だった。

vaxは、名詞としては「ワクチン」や「ワクチン接種」、動詞としては「ワクチン接種をする」という意味の口語的表現だ。オックスフォード辞典によると、vaxは今年まで比較的珍しい単語だった。

しかし、9月の出現頻度が前年比で72倍以上に急増したという。オックスフォード辞典はニュースコンテンツを分析し、英語の変化を追跡している。

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]