米ラップ歌手のカニエ・ウェストさんが着用したスニーカー、「ナイキ・エアイージー」の試作版が180万ドル(約1億9000万円)で落札された。当初の査定額100万ドルを大幅に上回り、スニーカーについた値段としてはこれまでの公式記録の中で最高値となった。オークション運営会社のサザビーズが26日の声明で確認した。
ウェストさんは2008年、第50回グラミー賞の授賞式に「エアイージー」を履いて登場したが、この時の試作版が正式に店舗で販売されることはなかった。現在サザビーズはこの製品が100万ドルを超える値をつけた初めてのスニーカーだと確認している。
ウェストさんの足のサイズに合わせて作られたこのスニーカーを購入したのは、投資プラットフォームのRARES。ネットを通じ、ユーザーが限定品や需要の極めて高いスニーカーを購入したり、そうしたモデルに投資したりする場を提供している。RARESの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のジェローム・サップ氏は、報道向けの声明で今回の購入について「歴史の一部を買う」のに等しいと述べた。
続けて「これほどまでに象徴的なスニーカーを購入する目的は、製品へのアクセスを高め、スニーカー文化を生んだコミュニティーを強化することだ。こうしたツールがあれば、そのようなコミュニティーはRARESを通じて財政的な自由を獲得できる」と続けた。
サザビーズでストリートウェアや現代コレクションを統括するブラーム・ワフター氏は声明で、今回の売却が「カニエの偉大な功績を雄弁に物語る。服やスニーカーのデザイナーとして、当代で最も影響力を持つ人物の一人にほかならない」との見解を示した。