Arts

頭のない巨大石像、集合住宅の下から発見 中国・重慶

中国の重慶市で集合住宅の下から石像が発見された

中国の重慶市で集合住宅の下から石像が発見された/Stringer/ChinaImages/Sipa USA

中国南西部の重慶市で、急斜面上にある2棟の集合住宅のビルの下から岩面に掘られた巨大な石像が見つかり話題になっている。

地元南岸区によれば、石像は高さ約9メートルで、頭部は欠落していた。これまで厚く茂った植物に覆い隠されていたが、最近行われた集合住宅の改修作業の間に発見されたという。

中国のソーシャルメディアでは頭のない石像の写真が瞬く間に広まり、多くは「ブッダ」と形容していた。マスコミにも取り上げられ、歴史や起源に関心が高まった。

石像は一部がこけに覆われた姿で、ひざの上に両腕を置き、手の上には丸い石のようなものを持っている。像がまとう衣やひだの一部も見える。

石像は頭のない状態で発見された/Stringer/ChinaImages/Sipa USA
石像は頭のない状態で発見された/Stringer/ChinaImages/Sipa USA

国家文化財調査によると、この石像は中国の共和制時代(1912~49年)に建造されたと思われる。調査は10年以上前に行われていたが、像はそのまま放置され、忘れ去られていたらしい。

地元自治体によると、頭部は1950年代に破壊されたらしく、80年代には周辺に集合住宅のビルが建設された。

地元自治体の依頼でこの像を調べた専門家は、仏像ではなく民族宗教に関連した神像らしいと推定している。

この像の隣にはかつて、道教の雷神をまつる寺院が建立されていたが、1987年に解体された。像は1997年に地元の文化財に指定されていたという。

石像がたちまち見えなくなった背景には、重慶の急速な都市化が関係しているらしい。人口3000万人以上に膨れ上がった重慶では、この数十年の間に無数の建物が建設され、歴史遺産や文化財が犠牲になることもあった。同地は起伏が多く、住宅の多くは斜面に建設されている。

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]