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スコットランド女王メアリーの手記入り祈祷書が競売へ、予想落札価格4700万円

スコットランド女王メアリー・スチュアートにゆかりのある祈祷書が競売にかけられる

スコットランド女王メアリー・スチュアートにゆかりのある祈祷書が競売にかけられる/Christie's Images Ltd. 2020

16世紀のスコットランド女王、メアリー・スチュアート本人が記した文言の入った祈祷(きとう)書が、オークションにかけられる予定であることが分かった。予想落札額は35万ポンド(約4700万円)とされている。

波乱に満ちた恋愛や政争の中で生涯を送ったメアリー・スチュアート。血縁関係にあったイングランド女王エリザベス1世の命により処刑された悲劇的な最期はつとに有名だ。

今回オークション会社のクリスティーズが競売にかける祈祷書は、本来、仏フォントブローラベイの女子修道院長のために書かれた写本だった。同修道院長は1558年から61年の間に、この祈祷書を親類だったメアリーへ譲ったという。

祈祷書の見返しには修道院長のモノグラム(頭文字などを組み合わせて図案化したもの)とモットーが書かれている。さらに同書にはメアリーの手書きの文章とモットーも記されている。

写本に残されたメアリー・スチュアートの手記/Christie's Images Ltd. 2020
写本に残されたメアリー・スチュアートの手記/Christie's Images Ltd. 2020

祈祷書を彩る40点の細密画は、フランス王フランソワ1世に仕えた宮廷画家の中で特に人気の高かった人物が手掛けたものだという。

クリスティーズによると、メアリーは青年期の大半をフランスで過ごした後の1561年、この祈祷書とともにスコットランドへ帰国したと思われる。

やがて祈祷書は18世紀後半か19世紀初めにイングランドにわたり、北部のハリファクスにある業者が製本し直した。

メアリーはスコットランドへ帰国する際にこの写本を持参したと考えられる/Christie's Images Ltd. 2020
メアリーはスコットランドへ帰国する際にこの写本を持参したと考えられる/Christie's Images Ltd. 2020

クリスティーズで中世・ルネサンス期の写本を担当するエウジェニオ・ドナドーニ氏は声明で、今回のオークションについて「鮮やかな装飾が施された王族ゆかりの祈祷書を手に入れるまたとない機会になる。スコットランドと欧州の歴史上最も興味をそそられる人物の1人であるメアリー・スチュアートが所有し、自ら文言を書き込むほど愛着を抱いていた品だ」と述べた。

オークションはロンドンで7月29日に行われる予定。

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