北朝鮮の「クリスマスプレゼント」、非核化交渉の破棄か 情報筋

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北朝鮮の「クリスマスプレゼント」の中身を事情に詳しい情報筋が分析した/KCNA/KNS/AFP/Getty Image

北朝鮮の「クリスマスプレゼント」の中身を事情に詳しい情報筋が分析した/KCNA/KNS/AFP/Getty Image

(CNN) 北朝鮮が米国に対し、非核化交渉の打ち切りも辞さない強硬路線に転じる意向であるとの見方が浮上している。北朝鮮指導部の現在の方針に詳しい情報筋がCNNに明らかにしたもので、かねて予告していた米国への「クリスマスプレゼント」として、こうした揺さぶりをかけてくる公算が大きいという。

北朝鮮の高官が今月初めに予告した米国への「クリスマスプレゼント」をめぐっては、ミサイルの発射や核実験の再開を意味する可能性があるとの指摘も出ていた。上記の情報筋によれば、プレゼントの内容は新たな対米政策の方針の表明とみられており、その中には非核化に向けた交渉を破棄し、核保有国としての北朝鮮の地位を強化することが含まれるという。

また今後は制裁の緩和を勝ち取って短期的もしくは長期的な経済発展を果たすのではなく、国家の理想である独立独歩の実現に向けた施策により力を入れるとみられる。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と米国のトランプ大統領とはこれまで3度の直接会談を行ってきたが、非核化に関する実務者レベルの交渉には目立った進展がないのが実情だ。

前出の情報筋は、金委員長が「様子見」の姿勢をとるとみられていると指摘。背景には、米下院での弾劾(だんがい)決議を受けてトランプ氏の政治的立場が弱くなっているとの観測がある。非核化で米国と合意したところで、来年の大統領選挙でトランプ氏が敗れてしまえば、次の政権が合意を履行しない恐れが生じるからだ。

トランプ氏が再選を果たした場合、北朝鮮側は改めて前向きな姿勢で交渉に臨むのではないかと、この情報筋はみている。ただ現時点で、非核化に関する提案は行われていないようだ。

北朝鮮の核開発については、平壌近郊にあるミサイル関連の工場で最近、新たな作業や増築工事が進められていることを示す衛星写真が公開された。しかし情報筋によれば、北朝鮮が衛星の打ち上げや大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射、核実験といった挑発行為に踏み切る公算は「きわめて小さい」。なぜならこうした行為は、中国やロシアといった国々にとっても過度に挑発的と受け止められかねないためだ。

中国とロシアは北朝鮮の最重要の貿易相手国とされており、複数の専門家によると、ともに北朝鮮が核兵器と弾道ミサイルを破棄することを望んでいる。両国が最も重視するのは朝鮮半島の安定だという。

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