サッカー女子米国代表、W杯で最もネット中傷受けたチームに FIFAなどが調査

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女子サッカーW杯の16強で、スウェーデンとのPK戦に臨んだ米国代表チーム/Quinn Rooney/Getty Images

女子サッカーW杯の16強で、スウェーデンとのPK戦に臨んだ米国代表チーム/Quinn Rooney/Getty Images

(CNN) 今年開催された女子サッカーのワールドカップ(W杯)で、ソーシャルメディア上の誹謗(ひぼう)中傷を最も多く受けたチームは米国代表だったことが13日までに分かった。誹謗するメッセージの数は、他国の2倍以上だったという。国際サッカー連盟(FIFA)と国際プロサッカー選手会(FIFPRO)が明らかにした。

両団体の委託を受けた調査では、米国が過去2大会を制していること、国歌を歌わない複数の選手が確認されたことを誹謗中傷の増加要因に挙げている。当該の投稿では国歌を歌わない選手らに対し、「非愛国的もしくは反米的」といった批判が寄せられていた。

大会を通じ誹謗中傷の水準がピークに達したのは、米国が16強の試合でスウェーデンに劇的なPK戦の末敗れたときだ。データによれば、きっかけは複数の政治家による投稿だった。これらはおおむねチームを支持する内容で、そこにはバイデン大統領からの投稿も含まれていた。

大会期間中に寄せられた誹謗中傷メッセージ全体の67%は、北中米からのものが占めた。

FIFAとFIFPROは、選手をオンラインの誹謗中傷から守る目的でソーシャルメディア保護サービス(SMPS)と呼ばれるツールを導入。既に過去1年以上の間に八つの国際大会で使用している。

FIFAによればこのツールは人工知能(AI)に依拠したもので、今大会は35の異なる言語による510万件の投稿を分析。選手と監督697人に対し、悪質なメッセージの閲覧を防ぐことを目的としたという。

報告では、今大会に出場した選手の5人に1人が差別的なメッセージの標的となったことが分かったとした。「同性愛嫌悪や性的、性差別的な誹謗中傷」を含む投稿は、あらゆるプラットフォームに寄せられた全メッセージ中のほぼ半数を占めたという。

今年の女子W杯の出場選手は昨年の男子W杯出場選手よりもオンラインで誹謗中傷を受ける恐れが29%高いことも明らかになった。

FIFPROのアガンゾ会長は声明で、「オンライン上で続く誹謗中傷は全世界のサッカー選手に打撃を与えており、無視できない。有害なネット環境は選手にとって危険であり、精神衛生や福祉に影響を及ぼす」と警鐘を鳴らした。

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