映画「オッペンハイマー」、ベッドシーンでヒンドゥー教の聖典引用 インド右派が反発

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原爆開発者を描いた映画「オッペンハイマー」のベッドシーンにインドで反発の声/Universal Pictures

原爆開発者を描いた映画「オッペンハイマー」のベッドシーンにインドで反発の声/Universal Pictures

ニューデリー(CNN) 原爆の開発者ロバート・オッペンハイマーの目を通して原爆を物語る映画「オッペンハイマー」をめぐり、インドのヒンドゥー教右派が反発を強めている。同作品のボイコットを呼びかけたり、問題の場面のカットを求めたりする声も上がっている。

問題とされているのは、キリアン・マーフィー演じるオッペンハイマーと、ジーン・タットロック演じる恋人フローレンス・ピューのセックスシーン。

途中で動きを止めたピューは、ヒンドゥー教の聖典の1つ「バガバッド・ギーター」を手に取る。ピューに促されて劇中のオッペンハイマーは「われは死なり、世界の破壊者なり」という一節を読み上げ、その後再び性交を続ける。

この場面が右派の反発を招いた。ヒンドゥー教政党インド人民党(BJP)の政治家は、この映画について「ヒンドゥー教に対する不穏当な攻撃」であり、「反ヒンドゥー勢力によるより大きな陰謀の一部」だとして非難した。

インド情報委員のウダイ・マフルカル氏は22日に発表した声明で、問題のシーンを「10億人の寛大なヒンドゥー教徒の信仰に対する直接的な攻撃」と位置付け、ヒンドゥー教社会に対して戦争を仕掛けるに等しいと指摘。「もしこのシーンをカットしてヒンドゥー教徒の心をつかむために必要なことをすれば、信頼の確立に向けて大いに役に立つだろう」とした。

1974年に初の核実験を実施したインドでは、全般的にはオッペンハイマーは好評で、評論家に絶賛されて映画館には観客が詰めかけている。

インドで公開された週末の興行収入は300万ドル(約4億2400万円)を超えた。同じ日に公開されたバービー人形を実写化した映画「バービー」は約100万ドルにとどまっている。

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