死海文書の断片16点は「すべて偽物」 米聖書図書館

聖書図書館は、所有する死海文書の断片16点についてすべてが偽物だったと明らかにした/SAUL LOEB/AFP/Getty Images

聖書図書館は、所有する死海文書の断片16点についてすべてが偽物だったと明らかにした/SAUL LOEB/AFP/Getty Images

(CNN) 米首都ワシントンにある聖書図書館は16日までに、所有する「死海文書」の断片16点がすべて偽物だったことが分かったと明らかにした。2018年には断片5点について偽物だと判明していたが、今回の調査で本物は1点もなかったことが確認された。

死海文書は約70年前、ヨルダン川西岸にあるクムランの洞窟群で900点を超える写本が見つかった。ヘブライ語聖書の最古の写本を含むなど、聖書に関するものとしては考古学上最大の発見のひとつとされる。

聖書図書館が所有する死海文書の断片について、CNNは17年に偽物である可能性を報じていた。偽の断片をめぐっては、02年以降最大70点が市場に出回ったと推計する専門家もいる。

今回、図書館所有の断片を調べた研究チームは声明を出し、「あらゆる画像解析と科学的な分析に基づいて徹底した検証を行ったところ、聖書図書館のコレクションの中に本物の断片は一つもないことが判明した」と述べた。それぞれの断片にみられる特徴が、20世紀に意図的に作成された偽物であることを示唆しているという。

他の死海文書が羊皮紙に書かれているのに対し、聖書図書館の断片には皮革が使用されている。皮革自体は古代のものだが、文字は現代のインクで記されているという。

インクが乾く前に、死海の周辺地域と一致する種類の鉱物を振りかけるといった細工も施されていたと研究チームは指摘。断片の買い手や学者をだます意図がそこにあったと結論付けた。

200ページに及ぶ研究チームの報告書の中で、16点の偽の断片がどのような経緯で聖書図書館にやってきたかは明らかにされていない。ただ図書館の創設者一族の名前で、4人の個人収集家から別々に購入したとだけ述べられている。

図書館の創設者は購入金額の公表を控えているが、専門家らによるとこの種の考古学的遺物は、本物であれば市場で数百万ドルの値が付くという。

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