OPINION

アボット・テキサス州知事へ、なぜ私の子どもたちを危険にさらすのですか?

ワクチン接種やマスク着用を義務付けない方針を掲げるテキサス州のアボット知事/Lynda M. Gonzalez/Pool//Getty Images

ワクチン接種やマスク着用を義務付けない方針を掲げるテキサス州のアボット知事/Lynda M. Gonzalez/Pool//Getty Images

(CNN) 我がテキサス州の知事であるグレッグ・アボット氏。あなたは2つの行政命令を出し、公立学校区を含む政府機関に対してマスク着用とワクチン接種を義務付けることを禁止した。この決定については急ごしらえの印象を受けたものの、当時の私は地元オースティンをはじめとする州内の一部主要都市でワクチン接種率が上がれば、新学期までには通常の生活に戻れるだろうと期待していた。

アイエレット・ヘイムソン・ラシュコフ氏/Ryan S. Miller
アイエレット・ヘイムソン・ラシュコフ氏/Ryan S. Miller

今、州内にデルタ株が蔓延(まんえん)する中で私が危惧するのはこうした予防措置を打ち切る決定が、あなた方の保護を最も必要とする人々を危険にさらすことにしかならないだろうという点だ。つまり我々の子どもたちである。私には2人の幼い子どもがおり、公立の保育プログラムに通っているが、あなたの行政命令は子どもたちを守る私の能力に悪い意味で影響を与えている。

デルタ株についてはまだ多くを学ばなくてはならないが、米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長の見解によれば、現在入手可能な新型コロナワクチンにはこの変異株に対しても防御効果が認められる。しかしワクチンを接種していない人には依然としてリスクがあり、我々の子どもたちにもよからぬ結果をもたらしかねない。12歳未満の子どもは現在ワクチンを接種できず、今後より多くのデータが収集、検証されるまでそれは変わらないだろう。

大人や10代の若者は、少なくとも自分たちの運命を選択することができる。だが小児用のワクチンの緊急使用が承認されるまで、年少の子どもたちとその保護者らにはそれができない。だからこそ、資格がある年代のグループにワクチン接種を奨励するのが非常に重要だ。最近ネイチャー誌に発表されたイスラエルの研究では、16歳以上のワクチン接種が20%増えるごとに16歳未満の陽性率が半減したという。我々の子どもたちを守るために、ワクチン接種は必須である。

デルタ株は笑い事ですまない。英国やイスラエルなどワクチン接種率の高い国でさえも感染者数は増加傾向にあり、イスラエルでは屋内でのマスク着用義務が再開された。一方、世界保健機関(WHO)はワクチンを接種済みの人であってもマスクを着けた方がいいと勧告している。

年齢が低すぎて新型コロナワクチンを接種できない子どもたちは、未接種の人々とともに、デルタ株に対するリスクが特に高まる。同株は感染力が強く、より重い症状を引き起こす可能性もある。大人はワクチン接種やマスク着用、社会的距離の確保で自らを守れるが、こうした対策を幼い子どもに取らせるのは認められていないか、可能であっても困難が伴う(あなたが最後に2歳の子どもにマスクを着けさせようと試みたのがいつだったのかは知らないが、それが一筋縄でいかないことは保証する)。子どもがリスクにさらされているのなら、親と彼らの暮らす地域も同様の状況にある。

幼い子どもが新型コロナにかかれば、それは親たちのリスクの上昇を意味する。彼らがワクチン未接種であればなおさらだ。連鎖反応は多方面に及ぶ恐れがある。子どもたちの感染から学校全体が隔離に追い込まれるかもしれない。そうなると親たちは仕事を休んで子どもたちの世話をせざるを得なくなる。その影響は、感染拡大の初期にみたように、とりわけ女性にとって痛手となり、通常の生活に戻ろうとするうえでの不安を深刻化させる。

仮に幼い子どもたちが病気になったり亡くなったりするリスクを進んでおかすつもりだとしても、つまりダン・パトリック州副知事がより年長の州民について進んでやろうとした(本人が感染拡大初期にそう説明している)のと同じことをするつもりなのだとしても、親たちから実の子を守る力を奪うのが本当にテキサス州にとっての最良の利益なのだろうか? 州政府は我々が安全に、幸福に、長く生きられる手助けをするべきではないのか? 感染症が蔓延している状況ならば特に。

デルタ株の脅威が無防備な学校や保育園へ一斉に広がる中、あなたとあなたの同僚の知事たちはすでに27の州においてすべての人を対象としたマスク着用義務を撤廃してしまっている。ただそれに代わる重要な施策を一気に進めることは、我々の共同体が現状を乗り切る助けとなり得るのであり、うまくいけば感染拡大はそのまま終局を迎えるだろう。ワクチン接種を奨励し、マスク着用を義務付ければいい。公立学校と保育園、その他幼い子どもたちを世話する施設に権限を与え、デルタ株から子どもたちを守るのに役立つ対策を実施させればいいのだ。

アボット知事。私はあなたに投票しなかったし、政策にも同意しない。しかし2人の子どもを持つ母として、親たちに力を貸すよう求める。我々は我が子の安全を守ろうとしている。きっとあらゆる人たちがこの点でなら互いに歩み寄り、意見を同じくすることができるはずだ。

アイエレット・ヘイムソン・ラシュコフ氏はテキサス大学オースティン校の准教授で古典学を専攻する。思想家やジャーナリストのコミュニティー「OpEdプロジェクト」のパブリック・ボイス・フェローでもある。記事の内容は同氏個人の見解です。

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