まるで咲き誇る大輪の花 地球温暖化の可視化画像が示す憂慮すべき実態
(CNN) 気候科学者のジーク・ハウスファーザー氏が作成した最新の可視化画像は、春に咲き誇る大輪の花さながらの美しさだ。しかしその意味するところは、温暖化に歯止めがかからない地球の憂慮すべき実態に他ならない。
画像は1940年から2024年末の間に地球の日々の気温が化石燃料の大量使用開始以前の時代と比べて何度上昇したかを円形の図で示している。1月から12月までの日付を円周で、各日付の上昇幅を円の中心からの距離でそれぞれ表す。すると年代が下るほど、円上に描かれる図形は中心近くから拡大。年ごとの図形を白から赤へと色分けすると、ちょうど花びらが開くような形で年々気温上昇に拍車がかかっている様子が明らかになる。
ハウスファーザー氏はCNNの取材に答え、優れた可視化を通じて気候変動はより直感的に理解できるようになると指摘。過去85年間の世界気温の変遷から、この数十年で地球が急速に温暖化したことは一目瞭然だとした。特に23年と24年の高温は、それ以前のどの年と比較しても警戒すべき水準にあるという。
24年は、23年の記録を抜いて歴史上最も暑い年となった。また産業革命前の水準を1.5度以上上回った最初の暦年でもあった。
科学者は過去数年の極端な高温について、十分な説明ができていない。化石燃料の燃焼やエルニーニョ現象が主な要因と考えられるが、それだけでは異例の速度での気温上昇を完全には説明できない。
ただ科学者らにとって明白なのは、世界の気温がほんの少し上昇するだけでもそれがもたらす影響は人類や生態系にとって一段と厳しいものになるということだ。具体的には山火事や暴風雨、洪水の頻度が増え、被害もより甚大になる。
「地球温暖化は近年拍車がかかっており、温室効果ガス排出削減の対策を講じなければ我々の暮らしや自然界に大きな脅威をもたらす」(ハウスファーザー氏)