地球の「おぞましい未来」を予測、気候変動の過小評価に世界の専門家が警鐘
地球は6回目の大量絶滅時代に差し掛かっており、それを加速させている人間は、野生生物の取引や環境汚染、生息地の伐採、毒物の使用を通じて既に何百もの種を絶滅させ、さらに多くの種を絶滅の瀬戸際に追いやっている。
2010年には196カ国の首脳が日本に集まり、地球を救うための生物多様性目標で合意した。しかし10年後の9月の国連パネルでは、世界が結集して単一目標を完全達成することはできなかったと結論付けた。
「我々は何年もの間、これもあれもやらなければならないと言ってきた。何が問題かを知っていながら、ただその変更を行わないことを選んだ」とブラムスタイン氏。
同氏は必要な対策として、化石燃料の排除、政策決定に影響を与える企業のロビー活動の抑制、女性活用などを挙げる。
さらに同氏は新型コロナウイルスが警鐘の役割を果たし得るとも指摘した。「新型コロナウイルスはあらゆる混乱を生じさせたが、実際には未来のための実践でもある」「これは私たちが団結と連帯に向けて前進する助けになるかもしれない」
報告書では、「我々の目的は運命的な展望を示すことではない。なぜなら絶滅防止、エコシステムの再生、持続可能な経済活動の奨励を目指して介入に成功した事例は多数あるからだ」と述べ、「国際社会が直面する壮大な課題を現実的に認識してこそ、荒廃の少ない未来を描くことができる」と指摘。この問題に対応するためには世界の資本主義の根本的な変化と、教育、平等が求められるとしている。