太陽探査機の最接近画像公開、表面の小規模フレアを初観測

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
最初の接近時にさまざまな波長の光で太陽の面を撮影した/Solar Orbiter/EUI Team; PHI Team/ESA & NASA

最初の接近時にさまざまな波長の光で太陽の面を撮影した/Solar Orbiter/EUI Team; PHI Team/ESA & NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の共同開発による太陽探査機「ソーラーオービター」が撮影した太陽表面の画像が16日に公開された。観測史上最も接近してとらえた太陽の姿となる。

探査機は今年2月に打ち上げられ、先月半ばに太陽への接近飛行を行った。この際、搭載する10の機器すべてを初めて一斉に作動させ、画像とデータを収集した。

ソーラーオービターが捉えた太陽の表面近くの「キャンプファイヤー」/Solar Orbiter/EUI Team/ESA & NASA
矢印部分がソーラーオービターが捉えた太陽の表面近くの「キャンプファイヤー」。左下の円は地球の大きさ/Solar Orbiter/EUI Team/ESA & NASA

画像は太陽表面から約7700万キロの距離で撮影。今回の接近飛行で、探査機は金星の周回軌道よりもさらに太陽へと近づいた。

公開された画像からは、「キャンプファイア」と呼ばれる小規模な太陽フレアが観測できる。ESA側で今回のミッションに携わるユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのデービッド・ロング氏は声明でこれらのキャンプファイアについて、地球から観測する従来の太陽フレアの数百万分の1の大きさだと指摘。これを観測できるほど太陽に接近した画像は今まで撮影されたことがなかったと述べた。

磁場活動を捉える太陽探査機「ソーラーオービター」の予想図/NASA
磁場活動を捉える太陽探査機「ソーラーオービター」の予想図/NASA

ロング氏によると、キャンプファイアは太陽の表面全体に点在している。「コロナ」と呼ばれる太陽の外層大気はその下の層より200~500倍高温だが、こうした加熱現象が起こるうえでキャンプファイアが重要な役割を果たしている可能性があるという。

キャンプファイアがどのようなものなのか正確なところはまだ分かっていないが、科学者らは「ナノフレア」と呼ばれる微小な爆発がその正体ではないかとみている。この現象により、太陽の外層大気が加熱させられていると考えられる。

画像に加え、探査機周辺の環境の測定に寄与するとみられる各種のデータも公開されている。

「宇宙」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]