シャチ11頭、氷結の湾で閉じ込められる 呼吸難で死ぬ恐れ
(CNN) カナダ北東部ハドソン湾近くにあるイヌジュアク村長は10日までに、同湾内でシャチ11頭が氷結した水域に閉じ込められ、呼吸が自由に出来ない事態に直面していると報告した。
地元のCNN系列局CBCによると、カナダ政府は10日に専門家を現場に派遣し、救出が可能かどうか調べる。水面上に浮上し、呼吸する穴が確保出来ない場合、死ぬ恐れがあり、救出は時間との闘いとなっている。
11頭は一家とみられ、ケベック州北部のアザラシの猟師が8日朝、閉じ込められているのを発見した。うち2頭のシャチは大きく、残りは小さいという。
氷結しているのはシャチが通常、呼吸のために水面上に現れる水域で、広さは約9メートル四方。氷結していない水域からは少なくとも10キロ離れている。シャチの専門家によると、ハドソン湾に集まるシャチは通常、北極圏の海域に流氷が押し寄せてこない前に生息地を離れる。
イヌジュアク村長によると、ハドソン湾の一部で氷結が始まったのは過去数日間内だった。住民が約1500人の村では9日夜に約60人が会合を開き、シャチ救済の手段などを協議。10日にシャチがいる場所で氷塊を除去したり削り落としたりし、水域を広げることを決めた。