インフレとの戦いは「かなりの時間を要する」 米FRB議長

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米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長。インフレの抑制にはさらに時間が必要との見方を示した/Kevin Dietsch/Getty Images

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長。インフレの抑制にはさらに時間が必要との見方を示した/Kevin Dietsch/Getty Images

ミネアポリス(CNN) 米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は7日、米国の労働市場が依然として「並外れた力強さ」を見せていると述べた。3日に発表された雇用統計がインフレの抑制にはさらなる対応が必要だということを浮き彫りにしたと語った。

51万7000人増となった1月の雇用統計について、パウエル議長は「ここまで堅調だとは予想していなかった」と述べた。「かなりの時間を要するプロセスだと我々が考える理由もここにある」とも語った。

パウエル議長の発言は、エコノミック・クラブ・オブ・ワシントンのデービッド・ルーベンスタイン氏との質疑応答の中で出た。

パウエル議長は「インフレ緩和のプロセスが始まった」と述べ、とくに物価面での前進を挙げた。だが、サービス分野での価格上昇はいまだ高水準だとも付け加えた。

FRBは今年中にインフレの「大幅な」低下があるとみている。パウエル議長はFRBのインフレ目標値の「2%台に下がるには来年までかかるだろう」とし、実現するまでは「一定期間」金利を制限的な水準に維持する必要があるだろうと指摘した。

住宅価格のインフレは今年半ばまでに下降するとの見方をしつつ、主要サービスから住宅費用を除外した個人消費支出の動向を注視しているという。

パウエル議長は「(インフレの)急速かつ穏便な収束を望む声があるが、それが模範的な事例として保証されてはいない」と述べた。

専門家は、1月の雇用統計の増加は季節的要因によるもので、下方修正される可能性があるとみているが、FRBが望むよりも過熱した状態だったようだ。

現在の労働市場は、新型コロナウイルスの流行が経済と労働力の供給に対して持続的な影響を及ぼしていることを反映してもいる。パウエル議長によれば、現在の米労働市場は需要が供給を500万件上回っているほか、労働参加率も下落している。

「周期的なものというより、構造的なものという感じだ」(パウエル議長)

「2018年と19年の失業率は3.5%台で、インフレ率も2%に届くかという状態だった。賃金も低所得者層の大部分で増加がみられていた。そうした状態に戻りたいと考えている」(パウエル議長)

FRBはそれを確実にするためにデータに応じて対応するとし、「雇用統計の堅調さやインフレの上昇が続けば、さらに金利引き上げが必要になるケースも出てくるだろう」とパウエル議長は述べた。

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