「前科者」雇用の勧め 英ヴァージンのブランソン会長
ロンドン(CNNMoney) 英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長が犯罪歴のある人たちの雇用を勧めている。ブランソン氏によれば、犯罪歴のある人物の雇用は、人材の拡充や、再犯の可能性の低減、起業家精神の育成、より安全なコミュニティーへの貢献につながるという。
ブランソン氏は何年にもわたり、この考えを支持しており、実際に、英国での鉄道事業であるヴァージン・トレインズでは刑務所やリハビリテーションプログラムから人材を調達している。
過去1年、同社の新規雇用の3%は、このようなルートで行われた。ヴァージン・トレインズには現在、こうした方法で雇用したスタッフが25人いる。
ヴァージン・トレインズは、他社でも同様の取り組みが行えるようガイドブックも発行している。ガイドラインによれば、犯罪歴のある人々を雇用することが通常の雇用手続きより費用がかかるということはなく、結果として、モチベーションの高い従業員が毎年入社しているのだという。
ブランソン氏によれば、英国での再犯者による税負担は毎年130億ポンド(約1兆8000億円)に達すると推計される。
こうした問題に注力しているのはブランソン氏だけではない。米ニューヨーク市議会は昨年、雇用主が求職者に対し、条件付きの雇用の申し出を行うまでは犯罪歴について尋ねることを禁止する法案を通過させた。