(CNN) 英スコットランドの海岸でこのほど、崖のふもとにたった1頭で暮らしていた「世界一孤独な羊」が救出される出来事があった。
フィオナはふもとの洞窟で少なくとも2年間暮らしていたとみられる。幼い頃に崖から転落したと考えられているが、これまでは誰も救出に意欲を見せず、その手だてもなかった。
フィオナを救出したのは農家5人のグループ。崖をロープで降り、布製の飼料袋にフィオナを入れると、ウインチで引き上げた。袋には小さな穴を空けて、鼻先を外に出せるようにした。
救出に加わった男性はフィオナについて「始終リラックスしていて、我々が引き上げる時などは草をかんでいた。これまで見たことがない現実離れした光景だった」と振り返った。
フィオナは毛を刈った後でも太り気味だったという/Animal Rising/Dalscone Farm/Facebook
フィオナの毛は伸び放題でぼさぼさだった。ただ、約9キロの毛を刈った後でも太り気味だという。
フィオナの救出を巡っては、一種の競争が繰り広げられた。
動物の権利を訴える活動家らは最近フィオナのもとを訪れ、自分たちが引き上げる前の準備として、人に慣れさせていた。
しかし、農家のグループが一足先に救出し、フィオナを農業公園「ダルスコーン・ファーム・ファン」に連れて行く結果に。
この農業公園は有料で訪問客を受け入れる施設で、動物の権利の活動家はフィオナが「見せ物にされる」と訴え、野生保護区への移送を求める請願を開始した。農場の外で「フィオナを自由に」というプラカードを掲げる抗議活動も行っている。
海岸の崖から「世界一孤独な羊」を救出 英スコットランド