(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は6日、アフリカのタンザニアと赤道ギニアでマールブルグ病の発生が確認されたことを受け、医療機関に注意を促した。
マールブルグ病は致死率の高いウイルス感染症で、エボラ熱のような制御不能の出血を引き起こす。
CDCは、米国で確認された症例はなく、現時点でリスクは低いとしながらも、国外から持ち込まれる可能性があると指摘。マールブルグ病感染が疑われる患者については詳細な渡航歴を確認し、検査で陰性が確認されるまで隔離して、直ちに地元の保健当局に連絡する必要があるとしている。
マールブルグウイルスは、発症するまでは感染力はない。発症すると発熱、頭痛、筋肉や関節の痛み、疲労感、食欲の減退、胃腸症状や原因不明の出血などの症状が表れる。
ウイルスは感染者の血液や体液、あるいは感染した動物の体液との接触を通じて拡散する。新型コロナウイルスのように空気を通じて感染することはない。
マールブルグ病専用のワクチンや治療法は存在しない。CDCは、初期に集中治療を行うことで重症化や死亡を防げる可能性があるとしている。
CDCは3月、赤道ギニアとタンザニアを訪れる旅行者に対し、具合が悪そうな人との接触を避け、渡航後3週間は自分の健康状態を観察するよう促していた。国際空港に張り出した掲示では、気分が悪ければすぐ医師に相談するよう促すとともに、両国を訪れた渡航者にはメールでも注意を呼びかけた。
赤道ギニアでは2月上旬にマールブルグ病の流行が確認された。同月7日、保健社会福祉省は、1月上旬に集団感染による死者が出ていたと発表した。
3月下旬にはタンザニア保健省が、同国北西部で流行が発生したと発表。4月5日までに8例の症例が確認され、うち5人が死亡した。