(CNN) アフリカ南部ジンバブエで15歳の少女が出産中に命を落とし、未成年が結婚させられる児童婚に対する批判の声が強まっている。新型コロナウイルスの影響で、10代の結婚は増えているという。
15歳だったアナ・マチャヤさんは今年7月、教会の神殿で出産中に死亡した。夫で教会員のハティララミ・モンベルメ容疑者(26)は、その後警察に逮捕された。
自身も10代で母親になった友人のフェイスさんは言う。「彼女の死は大きなショックだった。もし自分だったらどうなっていただろうと思った。私は生きていられて幸運だった。同じ場所で出産したので、何が起きてもおかしくなかった」
マチャヤさんの死をきっかけに児童婚に対する抗議の声が高まり、何千人もの署名が集まった。ジンバブエでは法律で禁止されているにもかかわらず児童婚の習慣が根強く残っており、活動家の多くはこの習慣を露呈させたいと願う。
運動団体によると、同国の少女は3分の1以上が18歳になる前に結婚し、5%は15歳になる前に結婚している。
児童婚に対する批判が高まる中で、警察はモンベルメ容疑者とマチャヤさんの両親を逮捕した。
モンベルメ容疑者は強姦(ごうかん)罪に問われ、両親はマチャヤさんの実年齢を隠すために警察に虚偽の身分証明書を提示したとして司法妨害の罪に問われている。
当局によれば、両親はさらに、9歳の子どもをモンベルメ容疑者に与える約束をしていたとされる。
警察はCNNの取材に対し、「関係者は口を閉ざし、特にあの教会でどんな活動が行われていたのかについて覆い隠そうとしている」と語った。
マチャヤさん一家の弁護士は、CNNの取材に対して事件に関するコメントを避けている。
運動団体によれば、昨年は新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)のために女子生徒の多くが外出できなくなって、10代の結婚が増えたという。
ジンバブエ女性問題相が3月に行った議会証言によると、今年1月~2月5日にかけては、5000人近い10代少女が妊娠し、児童婚は1174件に上った。
特に地方では10代の少女の妊娠が減っていないと女性問題相は指摘し、「男性はこの行為をやめるべき」と強調。教会による10代の少女虐待に対しても、当局が行動を起こす必要があると訴えた。
10代で結婚させられ、教育も受けられなかった少女たちは、生涯にわたる苦痛と貧困を背負わされることもある。
フェイスさんはCNNの取材に対し、15歳で学校を退学して、26歳の男性との結婚を両親に強要されたと証言した。
学校へ戻る希望は全て失ったとフェイスさんは言う。夫は金鉱で働いていて、何週間も顔を合わせないこともある。2人とも低賃金で、一家の生活を支えるのがやっとだという。
別の17歳の友人は、両親が離婚して15歳で結婚したと証言。妊娠中の16歳の女性は、夫が金鉱労働者で、自分の賃金を合わせても生活が苦しいと訴えた。
別の女性は家計のやりくりのことで口論になって夫に殴られることもあるといい、「空腹を訴えると夫が腹を立てる。この家庭に平和はない」と声を詰まらせた。