経済危機のベネズエラ、仮想通貨導入 国家では世界初

ベネズエラのマドゥロ大統領。同国は世界で初めて国家による仮想通貨の発行に踏み切った

2018.02.24 Sat posted at 16:41 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 深刻な経済危機に直面するベネズエラ政府は24日までに、事態打開を図る措置として独自の仮想通貨「ペトロ」の導入を決めた。国家による仮想通貨の発行は世界で初めて。

売り出しは既に始まっており値段は1ペトロが60米ドル(約6420円)。23億ドル相当の売却を狙っている。

ペトロ導入は、同国の金や原油などの資源埋蔵量を裏付けにしている。ベネズエラの原油埋蔵量は世界最大とされるが、ペトロの投資家に対してはいかなる原油権益も与えない方針。

ペトロについては斬新的な措置との評価もあり、中東や欧州、アジアからの資金呼び込みが可能との見方もある。一方で仮想通貨を登場させることでベネズエラが直面する食糧不足、原油生産量の落ち込みや国民の国外脱出を解消させるのは不可能との指摘もある。

ペトロがどれだけの需要を獲得出来るのかは不明。米財務省は今年1月、同仮想通貨の購入者は米経済制裁の対象になる可能性があると警告していた。

通貨ボリバルの価値はハイパーインフレーションで下落

また、投資家のペトロ売却の在り方も不透明となっている。ペトロはベネズエラの通貨ボリバルでは買えず、他の外国通貨で購入する。ボリバルは超インフレの進行でほぼ無価値の状態になっている。

ベネズエラは巨額の債務を抱えており、昨年11月以降、一部の債務ではデフォルト(債務不履行)状態にある。

ベネズエラのマドゥロ大統領は独裁体制を強めて欧米諸国の批判を浴びており、米国は昨年8月、米国の債券業者によるベネズエラ国債の新規購入を阻止する制裁措置も打ち出した。マドゥロ氏は今年4月22日の大統領選で野党候補者の出馬を封じている。

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