「焼き場に立つ少年」の写真、ローマ法王が配布を指示

ローマ法王フランシスコ。「焼き場に立つ少年」の写真を配布するよう指示を出したという

2018.01.01 Mon posted at 15:08 JST

(CNN) ローマ法王フランシスコが、長崎原爆投下の被害者の姿をとらえた1945年の写真をカードに印刷して配布するよう指示を出していることが1日までにわかった。カードの裏には、法王の要請により「戦争が生み出したもの」という言葉が記載されている。

この写真は、死亡した弟を背負いながら火葬場で順番を待つ1人の少年の姿をとらえたもの。第2次世界大戦末期に原爆が投下された直後、米海兵隊の従軍カメラマン、ジョー・オダネルさんにより撮影された。

法王は今回、カードの裏に自身の署名とともに「戦争が生み出したもの」という言葉を記載するよう要請した。

写真の内容と由来は短いキャプションにより説明。「幼い少年の悲しみはただ、血のにじんだ唇をかみしめるその身ぶりの中にのみ表現されている」などと記している。

裏には「戦争が生み出したもの」という言葉が記載されている

米議会図書館の記録によれば、オダネルさんは4年間をかけて両都市の戦後の様子を記録した。一連の写真は本の形で出版されている。

CNNのバチカン専門家、ジョン・アレン氏は自身のウェブサイトで、「新年を前にこの写真を公開したことで法王の立場に何か実質的なものが付け加わるわけではないが、フランシスコが年末年始の休暇期間中に特定の画像を配布するよう依頼したのは今回が初めてだ。これは法王が、写真のメッセージが今特に重要だと考えていることを示唆している」と述べた。

アレン氏によれば、法王は以前にも核兵器を非難し、紛争が子どもたちにもたらす影響を強調したことがあるという。

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