国連のワンダーウーマン名誉大使、抗議受け解任 わずか2カ月

2カ月足らずで名誉大使の職を解かれることに

2016.12.14 Wed posted at 10:31 JST

(CNN) 女性を元気付ける役割を担って国連の名誉大使に任命された米コミックの女性キャラクター「ワンダーウーマン」が、2カ月足らずで大使の職を解かれることになった。国連が13日に発表した。一方で、大使解任のニュースに落胆したファンによって再起用を求める嘆願サイトが開設された。

国連は10月21日、ワンダーウーマンを女性の地位向上のための名誉大使に任命。これに対して多数の国連職員から抗議の声が出ていた。

国連広報によると、ワンダーウーマンのプロジェクトは12月16日で終了する。この日程はキャンペーンの開始後間もなく決まったもので、抗議を受けたことから延長もしない方針。同プロジェクトの目標は、ワンダーウーマンの人気を活用して両性の平等と女性の活用などを盛り込んだ国連の持続可能な開発目標を周知することにあったといい、「その目標は達成した」としている。

ワンダーウーマンの起用については任命式の最中から抗議の声が巻き起こり、再考を求める嘆願サイトも10月に開設された。同サイトではワンダーウーマンについてこう形容している。「作者の当初の意図は強い独立した女性戦士として描くことにあったのかもしれないが、現実として今のキャラクターは、胸の大きなあり得ない体形をした白人女性で、肌を露出し、太ももが露わな米国旗をあしらったキラキラ衣装に、膝まであるブーツを履いている。ピンアップガールそのものだ」

同サイトに寄せられた支持表明は13日までに4万4000を超えた。

一方で、大使解任のニュースに落胆したファンは同日、再起用を求める嘆願サイトを立ち上げた。開設者はメキシコに住むタラ・ピーターソンさん(14)。CNNの取材に対し、「子どもの頃からワンダーウーマンが大好きだったので、国連大使になった時は本当にうれしかった。彼女のキャラクターはそれに値する」と話している。

「どんな衣装を着ていても、どんな姿をしていても、ワンダーウーマンの平和と正義、両性の平等のメッセージは変わらない」。そう訴える嘆願サイトには13日現在で700人以上が賛同を表明している。

ワンダーウーマンのキャラクターは1941年に米DCコミックスに登場し、70年代にはテレビ番組も制作された。2017年にはイスラエルの女優ガル・ガドットが主演するスーパーヒーロー映画「ワンダーウーマン」の公開が予定されている。

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