「アラブ合同軍」創設を 対ISISでエジプト大統領が提唱

エジプトのシーシ大統領

2015.02.24 Tue posted at 09:52 JST

(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が中東一帯で殺りくを繰り返すなか、エジプトのシーシ大統領は22日、アラブ諸国による合同軍の創設を訴えた。

シーシ大統領は同日のテレビ演説で「アラブ合同軍の必要性は日に日に高まっている」と述べた。すでにヨルダンやアラブ首長国連邦(UAE)が軍事協力を表明しているという。

ISISに対しては、米軍主導の有志連合がイラクとシリアで空爆を実施している。ただ米中央軍によると、空爆の8割は米軍が受け持っている。

オバマ米大統領は先週、他国もISISとの戦闘態勢を強化してほしいと呼び掛けた。

対ISIS戦略を巡っては、空爆による介入だけでは不十分との見方も強まっている。

戦争で破壊されたシリア北部の町コバニ=Ricardo Garcia Vilanova氏提供

シーシ大統領は合同軍が具体的に何を指すのか、また地上部隊を意味するのかどうかには言及しなかった。

アラブ合同軍の構想自体は長年検討されてきたものの、これまでは国家間の不信感が根強く、実現に至らなかった。だがISISという共通の敵が現れたことで、形勢は変化する可能性がある。

ISISは当初、イラクからシリアにまたがるイスラム国家の樹立を掲げていたが、今や両国以外にも勢力を拡大。先週公表したビデオでは、リビアでエジプト人のキリスト教徒を殺害する場面を公開。エジプトは報復としてリビアのISIS拠点を空爆したが、シーシ大統領は演説で「エジプト軍に外国の領土を侵す意図はない」と強調した。

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