息子の姿をもう1度――フェイスブック、父の願いかなえる

2014.02.07 Fri posted at 15:19 JST

(CNN) 21歳で突然死した息子の姿をフェイスブックの動画で振り返りたい――。涙ながらにそう訴えた父の姿に動かされ、米交流サイトのフェイスブックが故人の記念ビデオを作成する異例の対応でこの願いをかなえた。

ミズーリ州に住むジョン・ベルリンさんは5日、自分撮りの動画をユーチューブとフェイスブックに投稿し、「マーク・ザッカーバーグ氏とフェイスブックにお願いがある」と訴えた。

「息子が亡くなって、フェイスブックのアカウントにアクセスできなくなりました。電子メールを送ったりあらゆる方法を試しましたがうまくいきません。ただ息子の動画が見たいだけなのです」「息子の名はジェシー・ベルリン。どうか助けてください」

ジェシーさんは2012年1月28日、就寝中に亡くなった。ロックバンドのギタリストとして活躍するミュージシャン。いつも笑いが絶えない明るい性格だったという。

ジョンさんにフェイスブックから電話がかかってきたのは、動画を投稿した当日の夜だった。ジェシーさんが生前フェイスブックに投稿したコンテンツを使って、「過去の出来事」ビデオを作成するという申し出だった。

フェイスブックは開設10周年を記念して個々のユーザー向けに、これまでに投稿した写真などで構成する記念ビデオがBGM付きで自動的に作成される機能を4日から提供していた。

同社広報は、スタッフが5日にジョンさんの動画を見つけ、社内ネットワークで共有したと説明。「私たちのサービスはたくさんの人が使っているので、1人のために行動するのはとても難しい。しかしジョンさんの話は私たちを動かし、行動を起こさせた」と話す。これをきっかけに、故人をしのぶ場としてフェイスブックを利用してもらうための対応に力を入れるとも表明した。

ジョンさんは同社の思いがけない対応に、「ジェシーの死に目的を見出すことができた」「これがどれほど大きなことか、言葉では言い表せない」と感極まった様子。記念動画はネットで公開して、ジェシーさんへの追悼とする意向だという。

息子の姿をもう1度――フェイスブック、父の願いかなえる

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